簡単なゲームはなかった~23-24UEFAチャンピオンズリーグ セミファイナル1stLeg バイエルン・ミュンヘンvsレアル・マドリー~

 

 立ち上がりからかなり厳しい時間帯が続く。相手のドブレ・ピボーテ(ライマーとゴレツカ)のところをチームとして制限できず、身を乗り出すとその裏にパスを通され、ステイしたらステイしたでサイドを使って攻撃の形をつくられる。一方こちらのカウンターアタックは起点さえ作らせてもらえず…、とややワンサイドゲームな展開に。

 

 しかし、そんなタッチーな試合を先に動かしたのはマドリー。ヴィニシウスが自分でキムミンジェの背後にスペースを作り、そこにクロースが糸を引くようなパスを通してフィニッシュ。

 いや~、圧巻でしたね。リプレイを見るとあまりにもキムミンジェがまぬけに見えてしまいますが、そして実際不用意な食いつきではあったと思うのですが、それをこの繊細なゲーム展開の中でしっかり沈めきるクロースとヴィニシウスのクオリティが高すぎた。

 

 そのあとは1点先行したことで生まれた余裕をしっかり生かす形でマドリーが受けきり、前半のホイッスルが鳴る。

 

 ハーフタイムは「マドリーつええ」という世論でもちきりでしたね。😎

 

 後半開始からもマドリーがこれまでの流れを続ける形で、ポゼッションも握り返そうとすこしずつ圧をかけており、このまま勝利ムードかと思われた。

 

 しかし、まずは右サイドからザネに。そのあと左サイドのムシアラに。後半になってポジションをもとの位置に戻した両ウィングにシンプルに2発殴られて逆転されてしまう。原因を考えるというよりは頭を抱えるしかない2得点でした。やはりこの地に簡単なゲームはなかった。

 

 状況は変わったもののその後もマドリーは積極的にプレーしていくことになるが、さっきまでとは違ってしかたなく強いられた積極性である。しかしアウェーで1点差負けは許容範囲(の中の最悪)だが、カウンターでもう1点失ってしまえば非常に厳しくなる。とりあえずホームに帰ることを優先したい、その祈りも込めつつ、でも攻め手も最大限確保したい、という意味でのナチョOUTカマヴィンガINというぎりぎりの采配がなされた。

 

 そして1点を返して、2-2で第一戦は終了。

 

 うまく試合を運んでいたのに、理不尽寄りのゴールでペースを失う、という今までどちらかというとこっちがやるほうだった戦い方をされて崩れかけたのを、きっちり理不尽で持ち直してのドローというのは満足な結果じゃないでしょうか。シンプルに試合としても面白く、起きた甲斐があったとなりましたね。ベストプレイヤーはクロース、素晴らしかった。