「インターステラー」(2014)

 

 「インターステラー」を見ました。……普通! べつに面白くなかったということはなく、むしろ2時間50分もある映画を途中で一度もTwitter離脱等することなくちゃんと画面を見続けていられました。一方で、すごいたくさんの人がこの映画を「傑作」だと思っていることの理由はまったく分からなかった。

 

 この結果にはけっこう個人的にびっくりしている。なんやかんや自分のことを「クリストファー・ノーラン作品が大好きな側」だと思っていたので、なんか一作でも見たら「最高!🤗」と一瞬で心を奪われ、「みんなも絶対見たほうがいい!」と周囲の人全員に触れ回ることになる気がしていたんだよな。それはなんか嫌だったので、クリストファー・ノーラン作品は本当に機が熟したときにだけ、たとえば映画好きの恋人がどうしても一緒に人生ベストに好きな作品を見て気持ちを分かち合いたい、と言ってきたときとか、それくらいに抑えておこうと思っていたのだ。

 次回からは気軽に見てもいいということがわかった。「インセプション」とか「テネット」とか正直見たくてしょうがなかったのでうれしいです。

 

 「極限状態でも抑えられず、それによって皆が不幸になってしまう人間のエゴ」「行く人と残る人の間にある絆、あるいはすこしずつ広がっていくすれ違いと不信」「種としての人類と個人としての人、ふたつのヒューマニティの称揚と相克」、……といったおもしろそうなテーマはあったと感じたのですが、どうもそれらのテーマを作品の中心に据えて掘り下げようという姿勢ではない。

 個人的にはテーマに作品の主導権を持たせすぎず、あるいみで「あるがままに」描くという何らかの意味での自然主義を目指した作風というのは嫌いではないのですが、このスケールの作品でそれをするには2時間50分でもぜんぜん足りないと思う。映像の内容を理解するには十分だが、短すぎて心で感じるまでにはいかないひとがおおいのではないか。……劇場で見ていればもうすこし体感の作品ボリュームが上がって、感じることができる部分も増えたのかもしれませんが。

 

【ワーナー公式】ニュース|10周年記念IMAX®再上映!映画『インターステラー』11月22日(金)期間限定公開へ

 と思ったらちょうどいま劇場でやってて笑った。もう一回見る気にはあんまりならないが、でもあらかじめこんな感想になるということを知っていればせっかくの初めてのノーラン作品、絶対劇場で見たかったな…。

 まあ今後過去の自分に伝えるチャンスが来る可能性もあると思うので「GO」のモールス信号だけ調べて覚えておこうと思います。家に本棚は無いので酒棚を倒すことになる。掃除が面倒そうだ…。🍾