地獄のミサワがアイマスにハマったマンガ1個だけ載せていたブログがあった、インターネットのもっとも素晴らしい時間

 

 地獄のミサワさんというマンガ家が、「アイドルマスター」というコンテンツにハマった経緯を記したショートマンガを、ただその1作だけを載せていたはてなブログがあり、いまはなくなってしまっているが、それが存在していたのが日本のインターネットのもっとも素晴らしい期間だったと個人的には考えている。

 

 あのマンガはとても面白くて何回読んでも笑ったし、笑えるだけではなく、強いなにかが測り知れないほど込められていて美しいマンガであった。いまはブログは閉鎖されてしまっている。

 なのでこれまで、「あのマンガを見ることはもうできないのだろうな……」「でも人生の記憶にずっと刻まれる、とても良いマンガだった」「あれを読めなかった人は、もうこれから読むことが出来なくて、かわいそうだ」「すごいものを見れて本当に良かった。これからも大事に思い出そう」という感じにずっと感じ入っていたのだが、なんとなくTwitterを検索するとそのマンガがふつうに再掲されていて何万リツイートもされていた。

 

 おまけに3年越しの続編まで製作されていた。

 

 教訓としては、失われたものへの 郷愁 サウダージ を悦に入りながら感じ、それを感じられない他人をやや見下すことで自己満足して、その結果検索するっていう基本的なことをおろそかにする、ということをしているとちょっと損をするということが得られた。

 

 さて、ひさしぶりに読みかえした「アイマスにハマった」マンガも、声優ライブの世界に飛び込み、ぜんぜん仕事をしなくなった時期について語った続編のマンガも素晴らしく面白かったし、強いなにかが変わらずに測りしれないほど込められていた。

 

 好きなところをちょっとだけかいつまんで並べてみたい。まずは、一撃目からめっちゃえぐみの強いアイマスの楽しみかたをしているところ。

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 オタクが心を捧げている作品の名前を呼ぶだけで、世界一かっこよくなっているところ。(このマンガが映画化したらトレイラーのクライマックスに選ばれるのはここだろう)

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 ふつうにギャグワードが面白いところも好きだ。その隣のページにある「奇習だし参加しなくてもいいが」も笑っちゃう。このマンガのもっとも面白いところはぜんぜんそういう部分ではないのだが、ちょこちょこと一世を風靡したギャグマンガ家の力を見ることもできる。

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 というように素晴らしいマンガである。このマンガ1作だけが、まるでそれ専用に作られた聖殿であるかのように「地獄のミサワ」という名前のブログに載っていた2017~18年くらいのあの時代こそがインターネットのもっとも素晴らしい時代だったと、すくなくとも個人的には思うし、あと何名かくらいにはおなじように感じてもらえるのではないかと思っている。

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