平尾アウリ平尾アウリ平尾アウリ~平尾アウリ「まんがの作り方」~

 

 平尾アウリさんというかたの作品「まんがの作り方」を読んでいました。非常に面白かった。

 

 若くして漫画家デビューしたが仕事がなくなり、新しい流行る漫画の題材はないかと考えた結果「百合」に行き当たり、ネタ作りのためにいっちょ自分のことが好きっぽい後輩女子(主人公は知らないが実はこの子も漫画家)と付き合ってみるか…となって交際スタートするところから始まるラブコメディ。

 

 登場人物の多くが漫画家なので、創作がもたらしてくれる夢や挫折、漫画家あるあるを詰め込んだ、いわゆる「創作者についての創作」にもなっている。

 

ラインスタンプ化候補 のろけラインが来たときに使おう

 キャラクターもとてもいいですね。先輩のアシスタントで後輩を敵視している武田さんとか、こんなにギアをあげて大丈夫?と初登場の時思った、ただただ面白い東京の編集者とか、愛らしいキャラがたくさんいる。とくに弟はいいですね。話の設定上深いところにはいれないギャグキャラなんですが、それでもラブリーに作品のひとつの見どころとして機能している。リブート版ゴーストバスターズクリス・ヘムズワースみたいな感じである。

 

 あと淡い絵柄でテキストも静謐なので、最初はもうすこし別のジャンルのものなのかな…と思って読みすすめたんですが、このマンガはギャグマンガですね。(なので深刻に曇るシーンとかもほとんどない)

 ギャグはなかなかセンスがあって面白く、個人的には何度も声を出して割らしました。

 

 そんなお笑いだったり、テキストのセンスの良さだったり、画での演出だったり、全体の空気感だったり、それらがないまぜになって独特の空気感を醸し出している。

 よく考えると目新しい題材でもなく、そもそもひとつの作品としてなんらかの評価をできる段階に達していないという意見もありこれは否定できない。なので、同じような内容でもっといい作品はいくらでも世のなかにはあるのかもしれない。しかし、そんなもっといい作品であっても絶対に越えられないような何かを、平尾アウリ「まんがの作り方」は作品の中に宿すことに成功している。

 

 ただこの作品にはひとつ問題があって、それは作品タイトルの検索ワードとしての性能が致命的に低いこと。「そういえば面白そうだったマンガあったな~。今日は暇だし買って読んでみるか。え~と、タイトルはたしか、『マンガの描き方』みたいな感じだったよな~。検索、検索っと」と検索したとしても絶対に探し出せない。「まんがの作り方 マンガ」とか「まんがの作り方 作品」とかを試してみても、絶望的なのはワード面を見てわかるでしょう。

 

 なのでタイトルではなく、作者の「平尾アウリ」という名前を憶えていてください。一応、このブログ内でも強調したのでなんとか記憶に引っ掛かっているといいのですが……。

 

まんがの作り方 - 徳間書店

 それかもう欲しい人は今買ってもいいのでは。全8巻。