内臓の病気

 

内臓の病気かもしれない
茶色になったあじさい
薬湯の底に沈む
死後硬直の石鹸

鏡の向こうに遠く離れて
君は人を働かせるのが仕事だ
洗うたびに色の変わる
感応しやすい魂のたまり場で

水がお湯に変わる音
湯気の匂い
破れたコンタクトレンズ
ぬるぬるを身にまとって
朝から晩までそこにあるケロリン

外から体を持ちこんで
なんとか引きずり出す仕事場
ひとり湯は温かくて
心地の良い疼痛がする

EURO 2020 二周目

 

 EUROはすでに見ることが自己目的化しつつあり、試合を見ているときの僕の意識も漫然よりになってきつつある。正直、どの試合でどこの国のだれがなにをしたとか、個々の詳しい感想を持ててない。

 国際大会、華があるんですが、やっぱり、サッカーは週に1,2回、「勝ってくれ!」と気持ちが入ったチームを応援しながら見るのが一番なのかも。

 

 6/14のフィンランドvsロシア、あけて6/15のトルコvsウェールズは多分見ていないが、見ていて完全に忘れている可能性も否定できない。

 

 その次のイタリアvsスイスは見た。今回ちょっとイタリアはどうも強い。インモービレ、インシーニエ、ベラルディの3TOPの補完性が良く、それに加えてロカテッリまで点を取りはじめるとなるとちょっと止められないのではないだろうか。代表チームはどうしても寄せ集めになってしまうので、個々の選手の能力値の総和+シナジーの値が大きいほうが有利になるが、現状フランスに次いでこの値が高いのがイタリアという感じがする。

 

 そのあとのウクライナvs北マケドニアも観た。こちらでも覚えているうちに感想を書いたが、いまその感想を読みかえしてもリアリティを持って試合の感じを思い出すことができない。アリオスキがそんなに際立ってないのに「俺、プレミアでプレーしてますけど?」みたいな感じでぶいぶいいわせていたのが印象に残っている。PK止められそうだな~、と思って見てたらちゃんと止められたけど、跳ね返りを自分で入れたのはそのぶいぶい感の責任を取っていて素晴らしかった。

 

 6月18日に行われた試合のうちオランダvsオーストリアスウェーデンvsスロバキアは見ていないが、デンマークvsベルギーは見たような気もうっすらとする。デンマークのパフォーマンスは非常に良く、結果を知った状態で見たためなんでここからベルギーが逆転して勝つんだ?と思った。

 結局ベルギーがデ・ブライネというこの世の理不尽の化身のような選手を投入して勝利したとわかるのだけど、こういう強引な解決ができるのやっぱベルギー強いですね。デンマークにとってはちょっと切ない雲行きになってきた。ブライスワイトとか頑張っていたのだが。

 

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イングランドvsスコットランドの試合はおたがい意識が高く、サッカーだけでなくラグビーも行われるほどだった)


 そのあとにつづくクロアチアvsチェコイングランドvsスコットランドは見た。どちらも食味に乏しい試合だったが、この結果により最終節のイングランドvsチェコはどっちも引き分け以上でグループステージ突破確定なので談合試合になる……、と思いきや、このグループは1位通過だとF組2位という強敵と確定で当たってしまうので、欲を言えばどちらも負けて2位で上がるのが得ではある、けど裏の試合でスコットランドクロアチアのどちらかが点差をつけて勝てば逆転で3位まで落ちることもありうる、という駆け引き要素が追加されている。

 まあ、ふつうにイングランドはちゃんと戦ってもちゃんと戦っているのかいないのかよくわからないようなチームなので、引き分け以上でふつうに抜けて、決勝トーナメントでフランスと当たって2-0で負ける、みたいな絵も浮かぶ。

 

 そのあと、フランスvsハンガリーは眠かったので回避したが、ここにサプライズがあった。ポルトガルvsドイツは大一番だったがドイツの快勝。……というか、ポルトガルちょっとそんなに強くないかもしれない。どのチームもまずは負けないことを優先して守備を詰めているのに、ポルトガルにはそこまでのモチベーションがないのか、守りかたがだいぶアバウトだった。

 フランス戦では機能していなかったドイツのサイド攻撃がさく裂して、ポルトガルから見て右のサイドバック裏にゴセンスが進出する形から繰り返し決定機をつくられていた。試合がさらに続けば同じペースで点が入っていたと思われるような試合である。

 

 最後はスペインvsポーランド。あらゆる決定機を外し続け、最終的にはキッカーじゃないのにPKを外すモラタに癒された。EUROでゆるキャラグランプリが開催されていたら、大賞を受賞するのはたぶんモラタだろう。

マジスカスクエアガーデン

 

 ふだんはぼんやりネットニュースとかを見つつ怠業していてもまあ大それたことをしていなければそんなに厳格に見とがめられることはない環境なのだけど、上司にモニタを覗きこまれたときこればかりは「ちゃんと働きなさい」と怒られ、「ごめんなさい…」となった面白読み物系記事サイトを紹介したい。

 

 マジスカスクエアガーデンだ。テキストサイトにルーツを持つような、写真と文章主体のおもしろ企画記事を更新していっているサイトで、記事のテイストも形式も非常にオモコロに近い。「オモコロ」にとっての「東海オンエア」に対する「夕闇に誘いし漆黒の天使達」みたいな感じである。

 

 たんに二匹目のどじょうを拾いに来た人たちではなく、企画にセンスがあって面白い。聞いただけで笑っちゃうようなおもしろ企画なんてたぶんこの世にそんなに数があるものではなく、後発組が新発想でぶちかますのは俳句くらい難しいのではないかと思うが、それを乗り越えて名作を継続的に生み出していてすごい。

 たまに「なんだこれ…?」みたいなのもあるが、適度に名作があることによって、あまりうまくいかなかった回も「この人らアホだな~笑」とポジティブな気持ちで楽しんで読め、むしろ好感度が上がる。

 

 個人的にとても好きだったのがこの回。適当なおじさんを見つくろって、人生の出来事をヒアリングし、それをもとに人生ゲームを作成、後日本人と対決するという企画である。

 人生ゲームなんて運でしかないので本人がやっても強いわけないでしょ、というまっとうな解に一切触れず、おじさんを見つくろうところからすごい馬力で企画が進んでいく。

 

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 また企画を成立させるにあたって、アホアホ単純作業をしているところもぞくぞくするくらい良かった。

 僕はけっこう人*1が理不尽な単純作業を余儀なくさせられているのが好きで、大金持ちになったらそういうことをやらせる観賞用の人間を購入してもいいなと思っているのだが、インターネットの時代ではたくさんの人がウケようとしてそれをやってくれているのでうれしい。ひとに無理やりやらせてそれを楽しむのには道徳的に大きな問題があるが、自発的にやっている人を見る場合はそういった問題が発生しないのでありがたい。

 

 この企画は最終的には、器用には生きられなかったひとの人生を、ユーモアと哀愁で包み込む非常に文学的な展開にもなっていて素晴らしかった。アイディア、作業量、やりきり、それ以上の何かすべてを兼ね備えたインターネットおもしろ記事史に残る大名作です。

 

 ほかにも、ちゃんと賢い人たちがやっているんだなとわかるこちらの回(これも作業量が多め)とか、

 

 アニメではなく大長編ドラえもん「漫画版」を参照する、マニアの一面をのぞかせるこちらの回、

 

 面白いから画像はガビガビで問題なし! というような割り切りが心地いいこちらの回なども傑作です。

 

 ぜひみなさんも会社で読んでみてくださいね。

*1:自分でやるのもけっこう好きである。

電車でひと席あけて ほか

 

電車でひと席あけて

 電車で向かい側に、学校の制服を着た男女二人組が、間をひと席あけて座っていた。

 男の子はちょっとあか抜けない感じの子で、「いや俺は人間のこと基本的に嫌いだから…」みたいなことを言っていて、並んでいるからって男の子と比べるのは失礼な程度にはいけてる感じだった女の子が、ぶつぶつ言っている男の子をちょっとからかうような感じで絡みにいっていて、ひと席ぶんをあけて楽しそうにおしゃべりしていた。

 

 ただこの路線、つぎがすぐ主要な乗換駅である。けっこうな数のひとが乗り込んできて、通例ではここで座席はほぼ全部だれかが座る。

 

 つぎの駅に停まって、どうなるんだろうと思って見ていたら、たくさん乗客が入ってきたのに気づいて、「え?」っていう感じでふたりとも固まって、そのあと女の子のほうが動いて間にあった空間を埋めた。そのとき急にふたりとも携帯をいじりはじめ、しばらくしてまたなにごともなかったように、探るようなテンションでおしゃべりが再開された。野生の「僕ヤバ」かと思った。

 

EURO 2020 ウクライナvs北マケドニア

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 激戦で非常に面白い試合だった。

 ともにグループステージの第1戦を落とし、ここで負けるとほぼ決勝トーナメントにはいけなくなっちゃう2か国の対決だった。名前だけを見るとウクライナが格上なのだけど、攻める格上と守ってワンチャンスを狙う格下、といういつもの構図にはならず、おたがいにいいプレーを繰り出しあう好ゲームだった。

 

 ただ、なんでもない中盤でのポゼッションのミスとか、守備時の位置取りの悪さ、クロスやシュートのミスなど、繰り出しあういいプレー以外のところで北マケドニアにはクオリティ不足なところがあり、最終的にはそれがそのまま表れたみたいなスコアになっていた。

 

 気になった選手はウクライナだとヤレムチュク選手。中央で構えつつタイミング見て裏に抜けれて、しかも決定力もある。大会に出ているのほかのチームで言うとセフェロビッチとかインモービレみたいな感じでいい選手だ。

 北マケドニアだと、途中から投入されたトライコフスキ選手。PK奪取のきっかけになったシュートも彼だったし、ほかにも無回転気味の危険なボールをゴールに向かって蹴っているのが目立った。プレイスキッカー然とした選手ではなく、流れの中で前を向いて蹴れる能力もあったように見える。

 

鈴木ヒューマンサポート株式会社 海のお仕事ナビ

 最近はまっているのがこちらの読み物。海運の大手企業で務めたあと、そのコネクションを活かして人材派遣業をやっている65歳くらいの方が、オウンドメディア的な感じで海運と船に関するコラムを書いているのだけど、これがいい感じの温度感をした文章でかなり好きだった。

 

改めての確認ですが、水素を利用すると言っても今、自動車の世界で行われている水素燃料電池車での燃料電池の仕組みは、水素を酸素と化学的に融合・反応させて水を発生させる過程で電気を発生させるもので、エンジンのように内燃機関で爆発を利用するものではありません。私は、最初この辺りの違いがよく分からなくて、だいぶ難儀しました。最近、新しいエネルギーのキーワードとして、水素がやたらと出てきますが、ここを整理しないと混乱するかもしれません。

 そもそも、その道何十年と務めてきた知識のあるひとが書いているコラムなので、読むと「へえ、そうなんだ」という知的喜びはあるのだけど、同時にちょっと謙虚なところもあり、そこに好感と信頼が置ける。

 

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 画像や図表もふんだんに使われているが、作り込まれたというよりはフォークで親しみやすい印象を与えるビジュアルがキュートだ。

EURO 2020 一周目

 

 EURO2020グループステージの一周目が終わった。

 「寝不足の1か月がはじまった!」というようなキャッチコピーで、日本で放送を担当しているWOWOWは煽っているのだけれど、個人的な嗜好として眠たいのはふつうに嫌、……眠くない範囲で、まあ各グループ1試合ずつくらいは見れたらいいなと思っていたのだが、そういう感じにはうまく見れたので良かった。土日を使って、もう1,2試合くらいはさかのぼって見れるといいですね。以下見た試合の感想です。

 

 

トルコvsイタリア

 トルコもべつに選手を名前だけ見ていると弱くなく、展開に優劣は生まれるものの、勝負としてはけっこういい勝負するのではないかと思っていたが、……ふつうにイタリアが強かった。

 あんまり細かいところはおぼえていないのだけど、チームとしての機能性も個人のインパクトもあった。とくに好きだったのはスピナッツォーラ。ビルドアップの出口としてボールを受けてチームを助けつつ、その後の攻撃にも一拠点として絡めるナイスプレイヤーだった。

 

 逆にトルコはまったくいいところがなかった。聞くところによるとウェールズもいいところがなかったみたいなので、つぎの試合はお互い頑張ってほしい。

 

ベルギーvsロシア

 ロシアには入る気合があったと思われるが、それをいきなり阻喪されるようなダメージの大きい負け方をしてしまった。ベルギーのほうはエデン・アザールとデ・ブライネがいないのは弱体化のようでいて、カラスコメルテンスでも十分機能しているように思えた。とくにエデン・アザールはいなくてもいいのでは。

 

イングランドvsクロアチア

 僕の愛してやまないYouTuber、プレチャンの実況配信を裏で流しながら見た。ピックフォードがミスったり、ベンチで気の抜けた顔をしているマグワイアが抜かれたり、トリッピアーが謎に上手いスローインを見せるたびに湧き上がっていたのが面白くて良かった。

 この試合についてはこちらの回でもちょっと触れたけど、イングランドは若い選手がその若さと激しさに足をすくわれないかだけ懸念している。とりあえず、グループリーグは文句なく1位で突破するのではないでしょうか。

 

オランダvsウクライナ

 僕が見た中では唯一両チームに点が入った試合だったし、ヤルモレンコのゴールはすごかったので、見世物としてはこれがいちばん面白かった。ウクライナにも目があったので、ちょっと金星が見たかったところがある。

 

スペインvsスウェーデン

 この試合についてもこの回でちょっと書いた。スウェーデンのイサクを頼みにした乾坤一擲!の戦い方もそれはそれで好きだし、その重圧に答えてちゃんと仕事をするイサクもめちゃくちゃ好きなので、ぜひトーナメントに進出してどこかの強豪相手に炸裂させてほしい。

 

フランスvsドイツ

 フランスの選手はほんとうに動けるしうまいし強いし速くて見てて気持ちがいい。やることがかっちりと決まっている感じはしないものの、それでいてスイッチが入ったときの意思の疎通は取れているし、個人個人のフィットネス・メンタルも完成されている。

 (ハイライトには映っていないシーンだが)カウンターのフィニッシュでムバッペがフンメルスに倒されたシーンの一個前、ベンゼマがムバッペの早さを熟知した、ムバッペ以外には絶対出せないパスを出していて、グリーズマンやラビオと合わせて早くも理解し合った攻撃陣ができているのとても熱かった。

 

 ドイツは3バックの利点を攻撃時で生かせていないように思えた。WBのところでボールの逃がしどころができるのはいいんだけど、そのあとキミッヒやゴセンスは簡単に中央にボールを返すプレーだけを選択していて、それは効果的ではなかったのではないか。

 中央でのダイレクトプレーでの突破は試みていたけれど、フィジカルモンスターぞろいのフランス相手にはちょっと厳しい。被カウンターリスクとの天秤だったのだろうけれど、ミュラーとかハヴァーツとかサイドに流れて人数をかけて崩せるアタッカーも、ニャブリとかザネとか突破力のあるウィングも手札にはあったはず。

 

 あと、デュエルでは79分くらいのポグバvsクロースが良かった。ポグバが無理目の試みを突っ切って突破を決めかけるんだけど、それを冷静に突っ張って対処するクロース……。

最初に思いつく答えが間違いなクイズは良い

 

 最近、以下のような事実を知ったのでそれをもとにクイズを考えた。それからちょっと経って、物事を客観的に見れるようになったのだけど、それでもけっこういいクイズだと思う。クイズが好きな人がいればちょっと考えてみてほしい。

 

日本の祝日のほとんどは法律で何月何日とか第何何曜日がその日ですよ、と決められていますが、ひとつだけ法律でははっきりと日付が決められておらず、「日付は別途政令で定める」となっている祝日があります。それはなんでしょう?

 これはけっこう良いクイズで、僕が勝手に思っている良いクイズが持つ性質「ちょっと考えてみて、『なるほど、そういうことか!』と最初に思いつく答えとその理由が、筋が通っているにもかかわらずなぜか間違っていて、意外な答えが、聞いてみれば納得できるし、実際無からたどり着くこともできるな、と思えるような理由とともにある」を備えているのである。

 

 さっきの問題文を読んで、ちょっと考えて最初に思いつく答えは「天皇誕生日」だと思うが、じつは天皇誕生日は「国民の祝日に関する法律」で二月二十三日とぴったり定められている。

 

 これを友人にちょっとテストで考えてみて!とお願いしたところ、その翌日に上がった某有名クイズYouTuberにまったくおなじ問題が出ていたと教えてもらった。やはり、良いクイズのもつ良い性質というのは普遍的に「良い…」と感じられ、いろいろな人に「出してみたい…」と思わせるものなのだろう。

 

アフリカ連合AU)はアフリカ大陸にあるほぼすべての国が加盟している国際連合組織です。最も最近アフリカ連合に加盟した国はどこでしょう?

 ほかにも同様の性質を持っている問題、なにか作ってなかったっけ、と思ったところこういうのがあった。最初に思いつく解答は、アフリカ大陸でいちばん最近独立した国「南スーダン」だと思われるが、南スーダンより後に加盟した国が1つある。

 これも、国名を聞けば理由はなんとなく推測できるだろうし、推測したあとだと「当てれたな…」と思うことだと思う。ただ、直で当てるのは最初の祝日の問題より難しいかもしれない。

 

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 ちょっと違うけれど、同じ系統だとこういうクイズもある。答えは3つあり、1つめ2つめはおそらく難易度のとおりの順番に思いつく。3つ目を思いつけるか、というのが争点だけど、これは知っているかどうかになっちゃうのでそこまで良いクイズではないのかも。

英語で表記してJからはじまる国をすべて答えよ。

でも(それが)面白い~EURO 2020 スペインvsスウェーデン~

 

 EURO2020のグループステージ、グループEの初戦となるスペインとスウェーデンの試合を見ていた。

 

 スウェーデンはミドルゾーンに4-4-2のブロックを構えてスペインの攻撃を待ち受ける。スウェーデンのFW2名は中央に構えてパスコースを遮断することに専念して、相手CBのボール回しは好きにさせる。一方、スウェーデンのMFラインは、相手インサイドハーフの①裏を取る動き、②逆に相手CB脇のスペースに下がってパスをもらう動きには食いついて牽制する。

 ……この構図はちょっとどうかと思った。守備側が食いついて牽制するということはスペースをあけるということで、さすがにスペインはポジションをローテーションしてのブロック攻略が上手く、インサイドハーフのペドリやコケが動いて作ったスペースを皮切りにすこしずつブロックをずらして、クロスや突破からシュートにいくシーンを何度か作っていた。

 

 スペインの攻撃はだいたいプレーが切れて終わる(=いい形でスウェーデンがカウンターできない)し、たまにいい形でスウェーデンが奪ってもスペインのカウンタープレスにはめられていた。

 まあ、こういうのは国旗に十字架が入っているヨーロッパの国の代表チームが格上の強豪国と大きな国際大会で当たるたびに100万回繰り返されている構図なのでとくに驚きはしなかったが、客観的に考えると、応援しているひとたちや観戦客はこれをみてこれのなにを楽しむのだろうか。

 

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 試合前はこんな感じで最高に湧き上がっていたサポーターたちも、試合の途中でカメラに抜かれたときはあいまいに笑いながら静かに座っていた。

 

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 しかし、そういう試合にも文脈が乗り、それが乗ることによってプレーにきらめきが加わり、加わったきらめきでさらなる文脈が足されてドラマになっていくのが大きな国際大会の面白さですよね。

 スウェーデンは異次元のキープ力と突破力、そしてラストパスのアイディアを発揮したFWイサク選手の頑張りをきっかけに2回の決定機を作った*1。おたがいのDFとGKにはビッグプレーがあり、ときおり写る選手たちの表情には、エンタメを見ているという気分でしかない僕にはわかりようもない強い感情が表れていた。

 

 個人的には、ポジションチェンジから突破口を作っていた前半の戦い方のほうがスペインにはチャンスがあったのじゃないかと思う。スウェーデンはラインを簡単には下げなかったので、いちどいい形でブロックに侵入したあとはスウェーデンの選手に戻りながらの守備をさせていたので、点が入りそうな気配があった。

 後半はサイドを使ってスウェーデンを押し込んだけれど、最後のひと押しという点においては押し込まれたほうがスウェーデンは守りやすかったのではないか。

 

 個人的に良かったのはスウェーデンのGKオルセン選手。運もあったと思うが、とくに前半の守備がはまっていない時間帯をしのぎ、難しいゲームをビッグセーブで形にした。途中にあったパントキックのミスを拾われ、なんとかボールを回収したものの、そのあとのパントは大きくタッチに蹴りだしてしまったシーンは人間味を感じた。いままでサッカーを観ていてパントキックが怖いなんて感じることはなかったけど、たしかに、あのパントは怖いと切実に感じた。

*1:写真は2回目の決定機を外したときの様子。スウェーデンの選手が試合終了の笛が鳴ってトーナメント敗退が決まったときくらいの倒れ込みかたをしていて個人的には爆笑してしまった。