村上春樹さんという人が書いた長編小説『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』というのがある。村上春樹のなかでも有名な作品で、じっさいとても面白いので「これがいちばん好き!」という人もけっこういると思う。
僕自身も『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』はとても好きで、日常で、好きな作品の話とかをするときにたまに口に出すのだけど、気軽に口に出すには長いんですよね、このタイトル。
縮めて『世界の終り』と呼べばいいじゃないか*1、という人もいるかもしれませんが。
じつはこの作品、「世界の終り」と「ハードボイルド・ワンダーランド」という2つの物語がくっついて一冊になっている、という内容のものなので、「世界の終り」と呼んじゃうと、それが作品全体を指しているのか、それとも作品の半分「世界の終り」パートを指しているのかわからなくなってしまう。なので、なかなかそう略すのが難しいんですよね。
でもさすがにそろそろ略したい。通用する略称さえあれば、日常で「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」って、(会話のテンポを損ねないよう)ちょっと早口で言ったときのなんか正式名称を言ってマウント取ってる感、も出ずに済むし、文章で打つとき「世界の終わり」だっけ?「世界の終り」だっけ?「ハードボイルドワンダーランド」だっけ?「ハードボイルド・ワンダーランド」だっけ?といちいち検索せずにも済むのである。
というわけで、メリットが大きいので、今日はいくつか略称を提案してみたい。
略称案1:セカハー
「ロンハー」*2みたいな感じですね。いいのではないでしょうか。
しかし、まあ「セカ」はいいとして、「ハードボイルド・ワンダーランド」を「ハー」と略してしまうのにはちょっと疑問が残る。「ハードボイルド」の重かっこいい感じがあまり略語で表現されていないのはいただきにくい。
略称案2:セカワン
「テリワン」*3みたいな感じですね。これも言いやすくていいんじゃないでしょうか。
しかし、まあ「セカ」はいいとして(世界→セカは「セカオワ」で確立してる)、「ハードボイルド・ワンダーランド」の2要素のうち、相対的に重要じゃない「ワンダーランド」のほうが残っちゃっているのがちょっとおさまりが悪く感じる。
というか、「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」ってよく考えたら4要素「世界」「終り」「ハードボイルド」「ワンダーランド」あるので、それを2要素(各要素2文字)×2=4文字の略語にしようというのがすこし無理があるのかも。
略称案3:世終ハボワン
「浦期僕馬」*4みたいな感じですね。口に出しても伝わるとはとうてい思えないが、「浦期僕馬」もけっこう流行ったので、これも力のある人が使っていけば通じるようになるかもしれない。
やっぱり要素を落としていないのがえらい。世界が終わって、ハードボイルドなワンダーランドを楽しめるのが『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』という作品のいちばんいいところですからね。
略称案ではないが…:壁の街と計算士
略称案ではないんですが、『壁の街と計算士』的な名前で最初から村上春樹が出してくれるのがこの件に関しては一番良かったですよね。『図書館と一角獣』とか、なんでもいいですが。
でも、それをせずに『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』だったからこんなにかっこいいしわくわくする、というのも間違いがない。『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』、本当にずるい作品ですね。
追記
英語だとEWHWみたいな感じで略せるのかも。「RHCP」*5みたいな感じですね。
2022.5.13追記:英語版のタイトルは「Hard-Boiled Wonderland and the End of the World」であり、日本語とは逆になっている*6らしい。
てことは、略すと「HWEW」ですね。
*1:オリックス・バファローズをオリックスと略す要領ですね。
*2:ロンドンハーツ
*4:浦和に期待した僕が馬鹿でした。詳しくはドメサカ板のしょうもないスラングが好きだった - タイドプールにとり残されてこちらの記事を参照。
*6:たしかに、「ハードボイルド・ワンダーランド」から始まるしね。