ドメサカ板というのは、国内(ドメスティック)サッカー板の略で、(いまは2.5倍になってしまった)2chにある国内サッカーの専門板のことをさす言葉である。気のいい(悪いやつもいたが)国内サッカーファンたちがたむろしていて、ひいきクラブの成績に一喜一憂したりたがいを煽りあったりしていた。
お行儀のいい場所ではなく、そんなに僕も長い期間見ていたわけではなかったのだけど、そこで流行っていたネットスラングがけっこう面白くて好きで、いまだに思い出すとちょっと笑ってしまう。
今日はそんなしょうもないスラングを思い出しては、すこし懐かしみながらくすっと笑おうと思うので、皆さんはそんな僕を遠くから見ていてください。
スラング1:浦期僕馬
2010年J1リーグ、FC東京の降格がかかった最終節の相手は最下位の京都サンガ。それに加え、裏の試合で浦和レッズがヴィッセル神戸に勝てばたとえ京都に負けても残留が決まる、というシチュエーションだった。
しかし、長友をイタリアに失っていたFC東京は京都に敗北、頼みの綱の浦和も神戸に惨敗し、FC東京はJ2に降格することになってしまう。そんな試合後に、FC東京の守護神、権田修一が「浦和に期待した僕が馬鹿でした…」と呟いたことから生まれた故事成語である。
うらきぼくば。「浦」「僕」とふつうに読んでも意味が通りそうな字と「期」「馬」というちょっと通らない字が並んでいて、音声だとなかなか伝わらない感じのこてこての語呂が良い。サッカー界屈指の声に出して読みたい日本語になっている。
だれも人がいないところにぽーんと飛んでいくような、どう考えてもゴールに結びつかない悪いクロスのことを揶揄して言う言葉。もともとの2ch用語の「ワロス」とサッカー用語の「クロス」が字面の上で結びついて、きれいなマリアージュをなしている。
もうめっきり聞かなくなってしまった言葉だが、シンプルで使いどころも多いので復活してほしい。とはいえ、サッカーがみんなひと昔前より上手になってしまっているので、もうこれぞというようなワロスはJ1だとめっきり見なくなったのだけれど。
スラング3:ここですCAR
クラブがちょっと笑えるような負けかた(大量失点敗北、最下位のチームに負ける、天皇杯で下のカテゴリのクラブに負けるなど)をしたときなどに、そのクラブの本スレに他クラブのサポーターがわざわざ乗り込んできて貼るのがこのAAだった。貼られた負けクラブのサポーターは「ここですよ…」「笑ってくれ」などといった力ない返しをするのが様式美となっている。
まあ、あるときもあっただろうけど、基本的には主要選手がケガをしちゃったときとか、決勝戦で死力を尽くして負けたときとか、下のカテゴリに降格してしまったときとか、やや深刻で笑えない敗北のときには使われない傾向があって、その自重する感じもとても良かった。
いまみるとなんかかわいらしいキャラクターである。