長いあいだ、これまでの人生で一番好きな「名前」にまつわるニュースはこの、「スーパーマン、スパイダーマン、バットマン、ウルヴァリン、ハルク、ザ・フラッシュ全員ひっくるめても*1その速さには勝てないキャプテン・ファンタスティック」という名前に本当に改名した19歳少年のニュースだった。こんなに欲張っているのに能力自体は「速さ」の一点豪華主義なのが、渋いスタンスのヒーローですごく良いと思う。
最近、それを上回る好きなニュースがこの世に生まれた。それがこちらだ。
PaypalやスペースXといったテック企業を作り上げた、非常に高名なエンジニアであるイーロン・マスク氏が自分の子供に「X Æ A-12」という名前をつけたことを発表。「発音がわからない」とネット民に非常に話題になったそうだ。
光宙くん、泡姫ちゃん、悪魔ちゃん、速水もこみち全員ひっくるめてもその最先端さには勝てそうもないパワフルな名前で、悲しいけれどこういうイノヴェーティブなところではどうしても世界トップクラスとは埋められない大きな差があるんだな日本には、……と思った。
この名前のそれぞれの要素の解説は、イーロン・マスクさんの妻で、X Æ A-12さんの母親、そしてミュージシャンであるグライムスさんが一枚のツイートにまとめてくれている。
https://twitter.com/Grimezsz/status/1257836061520101377?
アニメアイコンとスクリーンネームの感じで、有名な一般人オタクアカウントなのか?と思ってしまったけれど、これであってるらしい。これであっているということが世の中にあったんだ。
このツイートを参考に、このユニークな名前を読み解いていきたい。
X、これは未知数。――まだ知られていない価値
この名前でいちばん納得ができる要素となってしまっているが、この時点ですでに頭文字が「X」という奇抜極まりない名前である。切り札ワードとして今後スクラブルや英語しりとりなどで活躍するのかもしれない。
Æ、「Ai」(人工知能であり、日本語の「愛」でもある)の私独自のエルフ風のつづり。
この文字はアッシュという、いまは使われなくなった古い英語のアルファベットで、日本ではイオンの看板でいちばんよく見かける。小文字にするとæとなる。
「エルフ風の」というのはよくわからないけれど、グライムスさんのTwitterのBioにも書いてあったりするので、彼女の創作の世界観に沿ったワードなのかもしれない。
A-12はSR-17(私たちのいちばん好きな飛行機)の先行機体で、武装を持たず、装甲もない、……ただ、速いだけ。戦場では活躍するけど、まったく暴力的ではない。(A-12のAというのは「コードネーム:大天使†アークエンジェル†」、私の好きな曲の名前でもある)
武装を持たないが、かわりにスピードだけで戦場を制圧する試作機、……世紀末ロボットアニメを思わせるかっこよさである。これまでストーリーにはよく登場していたけど、機体には乗らず、後方で支援をしたりバトルメンバーの精神的なケアをしていたお兄さん肌の優男が物語中盤で突如乗り込んでめちゃくちゃ人気になるやつじゃん。
そして最終盤で「この機体にも武装を施さねばエイリアンには勝てない…」と上層部がなるんだけど優男は「この機体はそんなことは望んでいない…!」と強硬に反対してけれど攻撃手段がないとどうしようもない局面がやってきて、――結局相手に突っ込んでいって自爆して命と引き換えに主人公を助ける回で伝説になるやつだと思う。
⚔🐀メタルラット
ここがいちばんむずかしかったんだけど、どうやら庚子(かのえね)つまり、五行の金と十二支のネズミを表しているらしい。「X Æ A-12さん」が背負うことになる2020年の干支ですね。「メタルラット」とすると強かで賢そうでよい干支だ。ちなみに僕の干支はそれでいうと「ウッデンドッグ」となる。弱そうですね。
*1:combinedの訳に自信なし。