宮澤選手とルーカス選手がケガで離脱していることが試合前に発表されていた。どちらもチームの主力選手であり、またちょっとスカッドが苦しくなってきた。
……という背景があったからなのか、今回の福岡戦はちょっとおとなしめの試合になった。ふだん札幌は、攻撃時の大幅なポジション移動や守備時の先手を取ったプレッシングで試合を流動的にし、そこで生かせる得意のパターンをいくつか持つことによってチャンスクリエイト回数を増やす、といった設計のサッカーをしているのだけど、今回はプレッシングもポジション移動も、とくにプレッシングを控えめにして、試合をあまり荒らさないようにしているように見えた。
ジンクスを打ち破れ!!【勝負の秋の陣】「2021スペシャルユニフォーム」着用試合および販売のお知らせ | アビスパ福岡公式サイト | AVISPA FUKUOKA Official Website
一方、対戦相手のアビスパ福岡は「降格のジンクスを打ち破る!」べく、すこしまえから炭治郎のコスプレをして試合に臨んでいる。
終わりなく柄が続く市松模様は、日本古来より親しまれ、永遠や発展などを意味する縁起の柄と言われています。
私たちアビスパ福岡は、ジンクスを打ち破りJ1で戦い続けるクラブとなり、これからも皆様に愛され、伝統あるクラブへ永遠に発展しつづけるという決意を、このユニフォームに込めました。
もっともらしいことを書いているが要するにしょせんにわか鬼滅キッズ集団ということ。負けられますか? 闘争心が煽られる。
札幌の消極的な入りが福岡にとってはちょっと意外だったかもしれない。福岡もプランは後半勝負だったと思うのだけど、(通常はカオスを作りすぎて試合終盤息切れする)札幌は、消極的にプレーをはじめたぶん、隙の糸を見せず呼吸を保って試合を戦った。
札幌はスルーパス1本から、福岡は札幌のミスをつく形でいくつか、それぞれ決定機を作ったけど決め切るクオリティがなかった。結果は0-0の引き分け。
まあでも、炭治郎11人*1と引き分けたと考えれば悪くない結果でしょう。けが人やコンディション不良というハンデもあったし。
個人的に気になったのはCB中央を務めた高嶺選手。この起用については札幌サポーターはそれぞれの意見を持っていると思う。僕はちょっといやだったのだけど、今日の試合を見て考えが変わった。これはオプションとして続けていってもいいのかも。
パス出しの気の利きかた*2とか、カバーリングを意識したポジショニングとかはどうしても本職のCBではないのだけど、かといって相手ボックス付近で攻撃的な役割をこなすのが得意そうでもないので、むしろもともと光っているプレス耐性の高さや、1vs1の粘り強い守備を活かして、「ちょっとあやういけど中盤底とCBの両方でやれる、ボール扱いがうまくてファイトもできる」みたいな立ち位置の選手になってくれたら面白い、観てみたいと思った。
あとは、札幌の選手みんな全体的に調子悪そう*3だったけど、チャナティップ選手はフィット感をかなり取り戻していて良かった。イエローカードになるファールを誘った場面二回、体でフェイクを入れて小気味よく逆を突いて抜くドリブルは最高でした。