J2から昇格し、残留を重ねたチームが、どこかの時点ですこしずつ血を入れかれ、J1水準のチームに生まれ変わっていく様子をみていると、それがプロスポーツの常とはいえ、やっぱりすこし切ない。
4選手とも、大分の選手と言えば…、と言われたら思い浮かぶ選手だったし、とくに三平選手のおもしろキャラクターは外から見ていてもとても好き*1だった。
おたがいにプレスをかけあい、ひととひととのぶつかりあいが目立つ展開だったけれど、プレッシャーをいなしてつなぐスタイルを着実に積み重ねている大分のほうが明らかに優勢、という感じで試合は始まった。
とくにビルドアップ担当部署がプレッシャーを受けて、もうボールをアバウトに蹴るしかない、となったときのリスクの消しかたがとてもクレバー。スペースに蹴ることとそこにだれかが走ること、ひとに蹴った場合はフリックしてスペースにアタックすることが徹底されていて、ボールを追い込んだ、と思ったら逆に危ない場面になりかけることもしばしば。プレスって、ボールをゲットする直前がいちばん危険なんですよね。
一方札幌のビルドアップ担当部署は大分のプレスを抜け……ることはかろうじてできるけれど、時間と空間の貯金を前線にパスするには至らない。大分も前で奪いきるというよりは、機を見て撤退に切り替えるほうに意識を置いたプレッシングをしていて堅かった。
このままではなにか変なことが起こらないかぎり負け確、というような前半だった。
後半、札幌はジェイをトップに維持したままドウグラス・オリヴェイラとアンデルソン・ロペスを投入。ビルドアップで優位性を作るのをあきらめ、2018年の香りがする、鈍器サッカーに移行した。
大分もどちらかというとこういう攻め方をされる方が嫌そうで、前半とは空気がちょっと変わる。
2018年はJリーグ屈指の攻城兵器、都倉健とジェイ・ボスロイドを擁していたため、そこに福森がボールを供給するだけでなんやかんやバックラインが弱い相手には勝ててしまっていたが、2020年のいまはこういう戦いかたへの適正はそこそこ、というところ。……結局1点を返して引き分けにすることはできたが、まあ、そこそこだなあ、という感じのひと試合でした。
試合後は大分の選手が出ているスーパーサッカーのYouTubeを見ていた。鈴木選手の連続出場記録、化け物じゃないですか……。
*1:三平選手と検索したら「面白くない」という予測候補もでてくるので、意見は分かれているのかもしれない。