短歌 11

 

しあわせの朝には雨が降ればいい乾いたあとの地面のにおい

 

 

溶溶とつづく盆地を午後ゆけば列車はゆりかごみたいなものね

 

 

光降る真夏の空に飛び出して紙飛行機は忘れる 僕を

 

 

白杖の音響いてる地下鉄の階段を昇り続けたら朝

 

 

栞紐ほどけたところ触ってたら休み時間はおしまいですよ

 

 

しあわせな葉っぱ 僕らは秋のある朝にひとつのところに掃き集められ