まるで決勝戦~23-24UEFAチャンピオンズリーグ ラウンド8 2ndLeg マンチェスター・シティvsレアル・マドリー~

 

 

 スペクタクルな撃ち合いショーが展開された1stレグとはうってかわって、まるで決勝戦のようなタフな仕上がりになったのがこの2戦目でしたね。マドリーは試合の入り、引いて構えるのではなくある程度高めの位置に防御ラインを設定する果敢な戦い方を選択。

 欧州トップレベルのクラブに通用する水準かというとまったくそうはいえないマドリーのプレッシング守備ですが、前に出ようという自分たちの意識には及ぼすものは何かあったんでしょうね。マドリーが勇気を出し、一方のシティがまだ腹をくくり切れていないように見えた時間帯に、シンプルなヴィニシウスの裏抜けから1点を先制した。

 

 その後は意図した形なのかそうでないのかはわかりませんが、まあそうではないほうでしょう、マドリーは自陣に押し込まれてシティにタコ殴りにされる展開に。このまま守り切れるという感じではなかったので、どうにかボールを持つ時間帯を作りたいよな~と思いながら見ていましたが、シティのカウンタープレスの強度が高すぎて全然無理でしたね。

 結局、途中投入のドクに押し込まれたところからデ・ブライネに1点を返されてしまう。しかし、まだタイスコアで、それがレアル・マドリーの恐ろしさであった。

 

 繊細なベンチワーク、――とくに攻撃面での仕事がほとんどなさそうなタイミングでモドリッチをクロースに代えて投入したのは痺れた――で盤面を維持しつつ、90分、そして120分の笛が鳴るまでゴールを守り抜く。

 その後はPK戦である。リアルタイムで見ていたときは高血圧になって倒れるかと思ったが、あの展開でPKまでもつれた時点で、中立観戦者にとっては「これはマドリーでは?」となる雰囲気だったかもしれませんね。

 

 その雰囲気通り、PK戦を制してマドリーが上のラウンドに駒を進めました。うれし~~!! まあバイエルン戦でケインを見ないといけないのは嫌ですが、でもまあ次の試合のことは次に考えましょう。

 

 個人的MOMはルニン。完全にもう最高のマドリー顔をしていますね。真ん中に蹴られたシュートを止めたとき、今日もっともマドリーを勝利に近づけました。気になったのはモドリッチPK戦を失敗した時、もし彼の中でマドリーに残るか、マドリーを去るかが揺れているのであれば、……もう去るかという方向にとても傾いた瞬間になっちゃったのではないでしょうか。