上野に「でん」襲来の衝撃

 

 2021年3月最初の週末は、驚異と感動の週末となった。もつ焼き居酒屋の名店「もつ焼き でん」のアメ横店がオープンしたのである。

 

 まさか生活圏に「でん」ができるなんてね。……うれしい! うれしいついでに、この「でん」がどんなお店なのか、僕が好きなのはどういうところなのか、3点に絞って述べていきたい。

 

酒!

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 「でん」はまず単純に酒がおいしい。とくにおすすめなのはこのレモンサワーだ。お酒がこういうふうにシャーベット状態になって出てきて、そこにサーバー直送のサワーをセルフで注いで飲む、という形式。

 この形式だと飲んでいるうちにお酒の味が七変化して楽しいんですよね。シャーベットが溶け切らない序盤は、硬い酒の香りがダイレクトに味わえるし、溶けだしてからはしだいにレモンの酸味、甘みが味のなかに見えてくる。

 コップの縁に塩がふられているスノースタイルなのもスペシャル・ワン。好き嫌いはちょっとあると思うけど、僕はこの塩がたまらなく好きなんですよ…!

 

 注意点としては、見てわかるとおり、アルコール度数がけっこうある。シャーベット部分はおそらくぜんぶ焼酎で、グラスの1/3くらい入って出てくる。焼酎ならまだしも、ハイボールのウィスキーもおなじ分量で出てくるので、人によってはハイボールを頼んだら一撃死になってしまうかも。

 僕はその辺も非常にうれしいのだけど、それがあまりうれしくない人は、「お酒少な目」のオーダーも通るので活用してほしい。すくなくしても一般的なレモンサワー程度の濃さでは出てくるが。

 

焼き!

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 「でん」のもつ焼きはほんとうにおいしい。もつ焼きのおいしいお店はいろいろ言ったことがあるのだけど、「でん」は頭一つ抜けているという感覚がある。

 お店にはメニューを並べた木札が掛けられていて、売り切れるとそれが裏返って赤文字になる(将棋とおなじシステム)。水道橋店などに休日行くと、人気の部位からどんどん売切れて行って、夕方なんかにのこのこ姿を現すと、串メニューはほとんど残っていない、ということもざらだった。

 

 肉そのものがとてもおいしくて、つつましくない、ちゃんとしたサイズの切りかたがされている。網あぶらやのどぶえといったマイナーな部位も取りそろえられている(そしてだいたい1巡目で売り切れる)。

 焼きは炭焼きで、火の加減も完璧。……炭で焼いてたら基本的になんでもおいしいのに、オーバーキルだよ。

 

 あと、さらにちょこっと乗せてくれるこの赤い添加物もおいしいんですよね。見ただけだと、「なにこれ?」と思うけど、食べてみると一発で正体がわかる。

 これもほかのお店にはなかなかない、「でん」の特別なところだ。やっぱり、他じゃ味わえない、とくべつなものがあるお店って、どうしても愛してしまう。

 

刺し!

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 刺しの種類が豊富なのも「でん」の素晴らしいところですね。写真は牛ハツ刺しで、ほかにも牛ハラミ、豚ハツ、豚タン、豚レバ、豚ガツなどといった刺しがグランドメニューに含まれている。

 そしてとてもおいしい。刺しならではの食感をぷりっと残しつつ、臭みみたいなものはいっさいない。

 

 これらの刺しメニューは、水道橋店では比較的夜に訪れても残っていることが多かったので、けっこうお世話になった。

 ただ、ひとりで行くとちょっと持て余すので、できればコロナ明け、人といけるようになってからたくさんの種類を食べたいですね。

 

 おわりだ!