大江戸

 

 そもそも小食なのと、くるくる回されてから提供されるため実際の体積よりずいぶんお腹が膨らむという効果があるのだろう(同様に調理プロセスに「回転」が挟まるピザとかも、予想より意外とお腹いっぱいになる)。僕は4、5皿くらいでお腹がいっぱいになってしまうため、回転すし屋さんでご飯を食べているときはつねに真剣だ。MAXの品数が限られている以上、1品でもそぐわない皿を注文してしまうだけで、最終的な満足度に大きなダメージが入る。

 

 なので、上野の街でよく行っているのが「大江戸」という回転寿司屋さんだ。山手線の線路下に店を構えていて、すぐ隣にも行列のできる有名回転寿司屋があるが、良いお店なのは「大江戸」のほうである。

 

 全商品均一149円(税抜)という値段設定で、この「均一」というのが良いですよね。最近はお金があるのであまり関係ないのだが、商品を注文するときに毎回、得られる満足の量をかかるお金で割る、という手間が省けるのが良い。

 

 そしてなにより、お寿司がおいしいんですよね。ふつうの100円回転寿司よりは高めの値段設定となっているだけあって、さすがに、ふつうの100円回転寿司の寿司と並べてトントン相撲をしたら10回中10回くらいは勝てるだろう、というくらいの大きさと重さがあるし、100円じゃちょっと出すのが難しそうな「ひらめ」「すずき」「しゃこ」といったレパートリーもグランドメニューに入っている。

 

 それだけではない。グランドメニュー以外にも、その日仕入れることができた「黒板メニュー」の魚があって、これが本当にすごい。「イサキ」「サワラ」「オジサン」といった、ふつうのチェーン回転寿司屋ではまずみられない珍しいお魚が日替わりで何種類も入ってくるし、なかには「黒ムツ」「ムツ」「イトヨリダイ」「コチ」といったちょっとハイグレードなお魚もけっこうな頻度で出現する。

 ほかにも思い出せるかぎりで「ブダイ」「コショウダイ」「イナダ」「マコガレイ」「クロダイ」「ソイ」「ハタ」「ヒラマサ」……、などとくに白身の種類が豊富ですばらしい。黒板のものをひとつずつ注文していくだけで簡単にお魚との素晴らしい時間を過ごすことができる。

 「ブリ」や「アジ」などの定番メニューが黒板に書いてあることもあるが、そのときはいいものが仕入れられたのでいつもグランドメニューで食べるよりちょっとおいしい、……と勝手に思っている。

 

 あとは、お店で魚をさばいていることから生まれる新鮮なあら汁も見どころ。上野で回転寿司に迷ったらかなり良いお店だと思います。今度一緒に行きましょうね~。