わかりませんでした。🤗
小学生時代の友人である玄野と加藤は、酔っ払いを助けようとして電車に撥ねられる。しかし、次の瞬間2人がいたのはあるマンションの一室だった。死の間際を経験した人間が集うその場にあった黒い玉・ガンツは、ねぎ星人を倒すことを一方的に指示し…!? 謎だらけの戦いが始まる!!
……とりあえず、00年代の漫画について語る上では非常に重要な作品だというのは間違いないと思うんですよね。実際にどうだったかというのは批評家による評価を見てみたいのですが、同時代的な受容としては「斬新」、そうまでは高く見ないにしても「特徴的」、そして読者の期待に沿うというよりはむしろ疑問を投げかけるようなチャレンジングな作りの作品で、批評的な意味で語るところがたくさんあったと思います。そしてその後も、なにか別の作品を形容するときに「GANTZみたいな…」という言葉を使った経験があるという人も多いのではないでしょうか。
その割に、カルチャー批評の文脈では果たした役割に見合った注目を受けていない作品のひとつに数えられるのではないか、とかねがねから思っていた。たしかに、作品のテイストがあまり文化系向けではないとか、オタク向けではなく商業的タイトルとしてビジネス的には一貫して扱われた、とか、終盤にかけて注目度がどんどん下がっていた、など、仕方のない理由はあるのです。でも、それにしてももっとなんか、たまにTwitterで批評の餌食になっているのを見かけるべきクラスの作品でしょ、と思ったので今回とりあえず全巻買って読んでみることにしました*1。読み終えました。
果たして、「GANTZ」とは何だったんだろうか。読んでみた結果、……マジでわからない。
ただ、もし当時「GANTZ」にあまり興味がなく、たまたま2024年になにかのきっかけでほぼミリしらから読み返したとしたら、「何だこのカルト作品は。でも、このカルトな展開が漫画マニアに受けたんだろうな」というようなことを思ったと思う。でもそれは間違いで、「GANTZ」はあのころさまざまな点で斬新な作品で、その斬新さが多くの人の心をとらえたんですよね。そして実写化まで行った。先取り情報をめざましテレビとかで流すくらい重要なタイトルだったわけですよ。
でも、「GANTZ」の斬新さは、同じようなテイストを持った、もっと作品としてちゃんとしている後発のさまざまなタイトルに触れたあと顧みる世代には全然伝わらないと思う。逆に、その定番の設定を使ってなんてひねくれた、変なことをしているんだ…という作品に見えるのではないか。
いまの状況では面白かったとか面白くなかったとか言うのすらネタバレになる気がするので控えておきます。作品としての評価もまったく付けられない。0点から100点まで……、と言うとさすがに言いすぎですが10点から90点くらいまでであればどんな点数にもなりうると思う。「読んでみてね」と言えるかどうかも、……言えません!
*1:ほんとは批評家の批評だけ読みたかったのだが探せなかった。