EURO 2020のグループステージも最終節。今日はウクライナとオーストラリアの試合を見ていた。狙ったわけではないが、これでウクライナの試合はグループステージの3試合すべてを見ることになる。そして3試合も見るとなんとなく愛着もわいてくるものである。
ウクライナはけっこうボールが持てるチームだ。中盤よりまえのプレイヤーは、ボールを受けると運べるところまで運んだり、キーパスを出すふりをして相手の視線を引きつけたり、ボールを晒して食いつかせてからはたいたりと、前線のプレイヤーに余裕を届けるプレーを心がける、という点でチームの意思統一が取れていて非常に見ていて好ましいチームである。
一方のオーストリアはこの試合ではじめて観るのだけど、ウクライナとは対照的にボールを持っていない部分での動きに特徴のあるチームのようである。攻撃と守備の入れ替わりはてきぱきしているし、相手最終ラインまではいかないものの、ウクライナのミドルゾーンには的確なプレスをかける。攻撃は思いっきり走って素早く完結させる。
面子を見るかぎりでは、どちらも強豪ではないものの、それぞれに方向性がはっきりしていて、それがぶつかりあう良いゲームとなった。……若干クオリティ不足のところもあり、「あーっ! おしい!」となるようなミスも見られたのだけど、そのぶん意図するところを出し切ったプレーもあったし、オーストリアが逆にウクライナのようなパス回しを、ウクライナが逆にオーストリアのようなトランジションを見せたりなど、おたがい好きがあるからこそみられる120%みたいなものが見れた。
(クリスティアーノ・ロナウドが生み出しポグバが育てたこのくだりに乗るヤルモレンコが良すぎたので個人的にはもう一試合ウクライナを見たい)
結果は1-0でオーストリアの勝利。ウクライナは勝ち点3・得失点差-1の3位となり、決勝トーナメントに進出できるかどうかは他グループの3位の成績次第となる。
現状グループBのフィンランドが勝ち点3・得失点差-2の3位なので、この成績とおなじかさらにそれを下回る3位チームがもうひとつでも出てくれば、ウクライナは決勝トーナメントに進出することができる。そして現実的に、ウクライナがEURO2020グループリーグ突破のボーダーラインになるだろう。
具体的にいうと、クロアチアとスコットランドが引き分けるorスペインが負けてかつポーランドが引き分け以下orドイツかポルトガルが大差で負けるみたいなことが起これば可能性がある。1番目だったり3番目のポルトガルが大差で負ける、はけっこうあるのではないか。
逆に勝ち点4とったチームの突破は確定したので、これから試合を迎えるチームにとっては非常に条件がわかりやすくなった。
微妙に複雑で、消化試合もけっこう出ちゃうこの節ですが、楽しんで観ていきたいですね。