1年後の自分へプレゼント

 

 今日は誕生日なので、一年後の自分になにか誕生日プレゼントをあげようと思う。毎年誕生日になると、これまで自分がやってきたこと、つくり残してきたものを時間をかけて思い出すことが多く、その感じでいけばたぶん来年の僕はこの回を読みかえすと思うので、(自殺とかしていなければ)*1きっと届くでしょう。

 

 時間の流れを意識して、(A)過去欲しかったけれど結局買わなかったもの、(B)今欲しいけどたぶん買わないもの、(C)かつて欲しかったことは一度もないが、1年後欲しくなっている可能性が0とは言えないもの、計3つの選択肢を用意したので、この中からひとつ買ってください。いいですね? 1年後の僕。

 

(A)過去欲しかったけれど結局買わなかったもの

 僕はあまり欲があるタイプではなく、かつそのうえ自分が欲しいと思ったものは絶対に手に入れないと済まないタイプなので、このカテゴリにあてはまるものを思いつくのにちょっと手間取った。

 

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 ……ただ、1年後の自分に贈るとしたらこれでしょう、「天野喜孝のタロットカード」。

 タロットカードは使い慣れたものをすでに1セット持っているし、ふつうのライダー=ウェイト版以上の絵ちがいのものをとくに欲しいと思わない。天野喜孝さんの作品も、正直魅力的なのだがグッズを集めたいと思うことはとくになかった。

 

 そのふたつがまじりあうだけでこんなに欲しくてたまらないのはなんでなんでしょうね。1+1が足し算ではなく掛け算になっている*2。ただ、掛け合わさるまえの諸要素に、冷静に分解して考えてしまう悪い癖があるので購入までいたれない。買ったところでべつに使いみちがあるものではないしね。

 

(B)今欲しいけどたぶん買わないもの

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 今欲しいけど間違いなく買わないものと言えば問答無用でこれでしょう、「完全食一か月分」です。

 

 さいきんとても健康にはまっていて、「あすけん」という健康アプリをインストールして食事と栄養の管理をしている。もともと食に対する興味が薄く、それがコンプレックスだったこともあり、「栄養満点を目指す」という、食に対する新アプローチが自分のなかに生まれ、それにより食に対する興味が比較的厚くなったことに個人的な満足感をおぼえているところだ。

 

 それを推し進めるべく、「完全食」を生活に導入したいと思っているのだが、同時に、せっかく生じた食のゲーム性、「食欲の範囲内でなるべく完全な栄養スコアを記録する」が失われ、食に対する興味がこれまでと同水準やそれ以下にしぼんでしまうのが惜しい。

 

 1年後ならたぶん、食というゲームにも飽きていると思うので、きっといいプレゼントになるのではないか。

 

(C)かつて欲しかったことは一度もないが、1年後欲しくなっている可能性が0とは言えないもの

 

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 見てのとおり欲しいと思ったことは一度もなく、むしろこういう新しいものに飛びつく人たちをちょっと軽蔑しているまであったのだが、同時にこのおぼえている軽蔑が自分にとって致命的である、ということにもなんとなく気づいている。

 いまのところ、まだ僕はなんとか、ぎりぎり、テクノロジー的な社会のスタンダードからとり残されきってはいないのだけど、それはまだ社会のなかでもぎりぎり若いコホートにいる*3からという側面が大きい。

 一方、僕個人の性質としては生活でつかうガジェットに関してとても保守的なので、上記の記事にあるような不安がとても他人事ではないのである。

 

 なので、VRでなくてもいいです、とにかくなにか2022年時点での最新のガジェットを、詳しい友達に聞く*4などしてなにか暮らしのなかに導入して、それに興味を持ち、習熟してください。きっと欲しくないでしょうが。でも、きっとこれからの人生に役に立つはずです。お願いね。

 

*1:誕生日になると死のことも考えてしまいがちだ。

*2:1+1の掛け算だと足したより少なくなってしまうので文章表現を間違えたかもしれない。

*3:この記事を書いている時点からみて来年になるともう若いとは言えないだろう。

*4:2022年になっても友達がもしいたら。