家の近くに店がある

 

 家の近くに店がある。それもひとつやふたつではない。3つもある。しかも「まいばすけっと」「ドラッグストア」「コンビニ」とそれぞれ微妙にキャラクターが違う3種の店がそろっている。かつてこんな家には住んだことがなかった。

 

 今までの家はどれも、最寄りの何かしら買える場所までは500mくらいは歩く必要があった。1.5kmくらいあったこともある。ちょっとその辺へ買い物、という感じではない。

 だから、外に出ている間に、「つぎに外に出るのはいつになりそうか? ではそれまでの間にだいたいこれくらいの食料が必要だな」と計算して、そのとおりに買い物をしていた。

 

 しかしそれには良しあしがあり、……「足りないよりは余るほうがいいか」精神で、やっぱりちょっと買いすぎちゃうんですよね。保存がきくものだったらいいが、そうでないものは「余らせたらもったいない!」と思って必要より多く摂取してしまうことになる。

 とくにこれが顕著だったのはアルコールで、「せっかくこれだけ買ったんだから飲まなきゃ損だろ」といったことを言いわけにして、予定よりもたくさん飲んでしまった機会は数知れない。ただでさえアルコールは常習性があるのに、こんな言いわけまで日常で乱発していたらひどいぜ。過飲酒まったなしだ。

 

 しかし、お店3つを備えた新居に引っ越した俺はもう訳が違う。……「もう、先を予想して物を買わなくていいんだ。ほしくなったらほしくなったときにほしいものを買えばいいし、逆に欲しくないときは先読みしてまで買わなくてもいいんだ」と気づいてからは完全に無敵になってしまった。

 まずはお酒のまとめ買い、ついでおつまみのまとめ買いを止めました。必要ならあとで買えばいい、……ことを背景にした初回のセーブがあるおかげで、けっこう酒量が減って人間に近づいてきたような気がする。

 

 それから日々の食事。もともとまとまった量の食事をまとめてとるのが好きではなく、1日6回くらいに分けてちょっとずつ食べるのが好きだった。

 近頃の実績値で言うと、7時ごろに起きてパンを買ってきて食べて、10時ごろにおなかがすいたので野菜と豚肉を買ってきて茹でたのを食べて、……それを半分くらい冷蔵庫にキープしつつ、13時ごろに急に豆腐が食べたくなったので買ってきて食べる。そのあと昼寝をして、起きたあとがっつりしたものを食べたくなったので、ステーキ肉を買ってきて調理。そして深夜におつまみとしてお昼の残りの野菜豚肉を食べる。

 ……こういった僕的に理想なフレキシブルイートライフが実現している。

 

 ありがとう。お店。お店は最高。太陽*1だ。