絡みつくところがとっても愛らしい

 

絡みつくところがとっても愛らしい
目があるけどたぶん見えてない
そしてたまに臭い液を出す
そんな生き物を飼っている

飼い始めてからは毎日が楽しい

皿洗いの前で憂鬱になることも
不必要な保冷剤を取っておくことも
怒りに任せてハンガーを壊す癖も
なくなった

たまに悪夢は見るけどね

君がいなくなって
君のいた場所だけが残り
僕が価値があると信じてこの部屋に集めてきたものが
家族や友人たちでも憐れむようなごみだってことに
やっと気づく悪夢を

生き物が病気になる前に
僕は保険に入った

孤独をいやすために
扇風機を買ったけれどそれは間違いで
扇風機はごみになった

最後の日
君は扇風機に絡みついて
遊んだ
僕は
君を無数の手や足から外し
寂しさを
温度の中で抑え
ゆっくりと
濡れたところをぬぐいそして

買ったときと同じように小さくしてから
それを捨てに行った