短歌 15

 

鳥たちも待ち合わせていてにぎわうよ氷河博物館のファサード

 

 

若いころ美術をやってた手癖だと言って作っていた飴細工

 

 

ストーブのそばに私が居座れば 雪の庭辺でただ待つ先生

 

 

春になればいなくなっちゃう先生と淫らなものを雪で作った

 

 

二学期はつめたい学期いつまでも合唱部員のひとりのままで

 

 

くれるものうれしいせいで(12月)くれないものが悔しい(2月)

 

 

雪捨て場 合わせて七十二度九分の熱を持ちこみ笑う先生

 

 

近づいて花の香りをかぐときにしとけばよかったキスの思い出