短歌 97

 

「いまこれが読まれています」の画面閉じ台風ではなくただ雨と風

 

 

暗いとこだけを通ってくる虫もこの部屋にいてなかよしの部屋

 

 

君の部屋のラックに並ぶフィギュアらの気がくるうまで本物でいる

 

 

悪路行きどこかへ出ればしあわせな人がいて写真を撮らせてくれた

 

 

責任を楽しめる気にはなれなくてガムだけ持って出る夜散歩

 

 

絵が好きじゃなくなっていくあのときは好きだって言うしかなかったから

 

 

石油王になった 空想済ませて今日鍵を返しに多摩川を越えていく