片方はどこかで
もう片方はロッカーの灰の中で
片割れずつになってしまった三角定規のための短いジングルが
放送室から聞こえてくる
ここはどこかで落ちた人たちの集まり
俺たちは廊下に列を作った
そして待った
時間が来たら入った
休業中の小学校の
教室は小法廷の空気だった
待っていたのは
3人の公務員たち
講話は退屈で
魂はどうしても校庭を巡った
記念植樹でいっぱいの
思い出があるだけの抜け殻の
場所を
あの日通過した傍受防止法のために
住む家や仕事を失った
俺たち
面識はないけれど
かつてここに通っていたことで
仲間だった
また打ち解けて
遊ぶこともできるはず
存在しない記憶をよりどころにして
そういえば
誰もかもが
かくれんぼの途中だった
真剣ではないが
机の裏くらいは探しておくか
鐘が鳴って終わりが来て
始まりが始まるまで
※
そこにはシールが貼られていた
永遠に剥がれられないような
貼りかたで