知的好奇心が満たされる、待望の「3Blue1Brown」日本語版!

 

 最近、知的に満たされる機会が減っているなあとおもうみなさん。いますぐ「3Blue1BrownJapan」をチャンネル登録すべきでしょう。

 「3Blue1Brown」という、わかりやすいアニメーションとウィットのあるナレーションで、数学の面白いトピックを解説してくれるチャンネルがあるらしく、それを公式にローカライズした「3Blue1BrownJapan」がYouTube上に爆誕*1したんです。

 

 円の上に点を打ち、その点どうしをすべて結んで、できた交点を数えていく。

 

 すると途中までは2の累乗数個あるのに、途中から少なくなるらしい。Why! 厚切りジェイソンのネタにできそうですね。

 

 解説編はこちら。「私がこの問題を好きな理由は、組み合わせ、グラフ理論オイラーの多面体定理、パスカルの三角形などのいろいろな数学のコンセプトを繋ぎ合わせてくれるところにあります」という動画の枕コメントどおり、「色々なアイディアがつながって問題が解決する」のがきれいです。

 

 オイラーの多面体定理以外は数学IAの範囲だと思うのでそれもうれしいポイントである。というか、オイラーの多面体定理だけ与えて、ちょっと誘導つければ東大の2次試験で出てもいいくらいかもしれない。たぶん僕の当時の学力だとぎりぎり解けないくらいだったと思われる。*2

 

 こちらも良かった。動画タイトルにある墨付きかっこ【明日話したくなる数学】は本当で、この記事はこの動画を見た翌日に書かれています。

 

 こちらはちょっとだけ力学の知識が要ったり、アークタンジェント*3とかしれっと出てくるので若干難しいけど、でも解決に迫っていく様子は非常にエレガントで、流し見しているだけでも楽しい。

 

 数学的な議論を含まないこちらの動画もおすすめですよ。2の256乗がどれくらい大きい数字なのかを、一旦「2の32乗」の8乗に分割して、

 

 パソコンの一秒あたり計算速度がだいたいこれくらい、Googleの持っているパソコンの数がだいたいこれくらい、地球上のパソコンの数がこれくらい、銀河にある惑星の数がこれくらい、……といった具体的な量の掛け算で示してくれる。2の256乗、僕が思っていたよりだいぶ大きかった。

 

 翻訳や再編集は東京大学の有志がおこなっているらしい。東大はけっこう人気コンテンツなので、このYouTubeチャンネルもめちゃくちゃ人気になるかも…。

 

 本家の「3Blue1Brown」はこちら。(知っていることなら)図解でだいたい言っている内容はわかる*4ので、英語の勉強などにもいいかもしれませんね。

*1:この言葉、ルギアが初出だと思っていたんだけど検索してみたら「いやコロコロコミックではルギア以前でもたまに見かける『コロコロ用語』だった」「1991年刊行の柳瀬尚紀訳『フィネガンズ・ウェイク』でも使用された」みたいな話もあるらしく面白かった。知的好奇心が満たされた。

*2:円周上の点から4つ選ぶと交点の数に対応する、を思いつくのは無理そうだ。

*3:タンジェントより強い天使族のモンスターみたいでかっこいい名前ですよね。

*4:(試してみたが)知らないことはわからなかった。翻訳本当にありがたい。