家にサーキットができた

 

 人間には2種類いる。考え事をするときに静止している人と、動き回る人である。

 

 僕は後者のがわの人間で、なにか考えたいことがあるときには散歩に行ったり、一人旅をしたりする。ただいつも外に出れるとは限らないので、現実的にそうもいかないときは、家の中をうろうろ歩き回っている。

 

 ……ただこの時に1個問題があって、家に歩き回るスペースがないとそれもできなくなっちゃうんですよね。

 

 過去記事で述べたとおり、僕は先祖代々かなり片付けが苦手な家系に生まれている。いまは諸事情で実家に居候しているのだが(10月頭には戻る)、その実家の床もひどい有様である。

 

 正確な間取りを上げるわけにはいかないのでイメージ図なんですが、だいたいこんな感じで床に物が置いてあって、……まあでも通路が確保されているので日常生活にはあまり支障ない、くらいの状態になっていた。

 

 このことのなにが悪いかというと、いざ「考え事」をしようと歩き回り始めたときに、ルートが行き止まりだらけになっちゃうんですよね。あそこの壁にたどり着いたら、180度向き直って次はこっち、とかそういうことを考えながら歩かないといけなくなる。考え事をするために歩いているのに、余計なノイズが入ってしまうのである。

 

 ただ、最近、親が一念発起して家に断捨離業者*1を入れ、大量のごみを排出した実家はなかなかきれいになった。

 

 その結果、今まで使ってなかった部屋のひとつがこういう配置になったんですよ。これは本当にすごいことで、これまでの実家にはどこを探してもなかった「回路」が実現している。この「回路」を歩き回っていれば、方向転換に気を散らされずにすごくうまく考え事ができるのである。

 

 正直断捨離業者が来た時には親に「余計なことをしやがって…」と思ったものだが、「回路」のある暮らしはそれを吹き飛ばすくらい快適だった。仕事や趣味がはかどる。当然である、今までは「思考力-40%」くらいのデバフを掛けられて過ごしていたようなものなので。

 

 これまでは「家が片付いてなくて何が悪いんですか? どこに物あるかは(だいたい)わかるし、生活に必要な最小限の隙間は確保していますが? なにも困ってないのですが?」みたいな態度で、片付け側の人間に接していたのだが、思考力が元に戻った今はその主張が間違いだったとわかる。

 

 これを見ている人のなかに、家が自力では覆せないほど汚れていて、かつ思考するとき動く側の人間がいたら、悪いことは言わない。一刻も早く断捨離業者を家に入れて自由にさせましょう。

 「その状態」の思考だと、「そんなことはおかしい。したくない」と思うかもしれませんが、その思考は減衰した間違っている思考なので。何も考えずに、検索して最初に出てきた業者に電話をかけましょう。おすすめです。

*1:立ち会ったが宗教すれすれだった。