無果汁団 / 心ここにあらずとも (2023) Mukaju Dan
正直spotifyのラジオ機能で最初に聞いたときはかっこいいのかださいのか最後までなんともわからず、「どう思う…?」という感じで周囲の有識な友人たちにURLを送って助けを求めてもみた。
歌謡曲チックな抒情的なメロディを、温かい感じのテクノポップ風味で流していて、一番最初に頭に思い浮かんだのはフレネシ*1 なのだが、あれはあれでけっこうスノッブだったフレネシにたいして、こちらはどちらかというとオタクっぽい感じがする。*2
聞けば聞くほど、どの曲も気持ちいい場所で気持ちいい音が鳴っており、はっとするようなフレーズがある。音楽の方向性はそろっているんだけど、意外とそのなかでもアレンジにバリエーションがあって食い飽きることもない。
独自性があっていいミュージシャンを見つけたと思うんだけど、でも、「ボカロ界隈にはこれぐらいのひとらはふつうにいるよ」などと詳しい人には言われるような気もちょっとする。
うわ~、なんだこれは。疑ってかかったほうがいいのか、自分に許してどんどん好きになっていったほうがいいのかわかんね~、となっていましたが、分かんないしとりあえず聞いてみるか、という気分にここ一週間ほどずっとなっていて、そしてその気分の通りに何周もして、無果汁団の音楽が流れている時間を楽しんでいるのだから、自分の中での暗黙の答えはもう出ているような気もする。
でもやっぱりですね、そんなに芯の強いリスナーではないので、世間的な答えも知っておきたいと思うんだよな、「無果汁団」、この方々、どのような評価なんですか……?
熱を測る前の 妙に上がる気持ち
タイムズスクエアのガールズバンド
やけっぱち マイナーコード
さよなら 球体の観測所
しかしこの「無果汁団」、世間的な評価どうこう以前にマイナーすぎて誰にも知られていなさすぎる。作品の価値に関して個人的にはまだ確信は得られていないと言いましたが、だがそれ以前にこのミュージシャンがほとんど誰にも聞かれていないままでいていいはずがないのは間違いがなさすぎる。
というわけでしばらくは会う人会う人に「無果汁団っていうバンド? グループがいるんだけど…」という話をしていきたいと思います。これを続けていけばどんどん知られていくようになり、おそらくちょっと後には関ジャムなどで取り上げられてちょっと「お?」となって、つぎのクールの少女終末旅行的なサブカル寄り深夜アニメのEDに取り上げられるなどしてかなりブレイクするのではないか。
そのあとで、結局良いのそうでもないのどうだったの?というのを有識者のnoteとかで見て、自分の中での結論を出したいと思います。
というわけでみなさんどんどん聞いてどんどん知ってね! 無果汁団を。
*1:愛してやまないミュージシャン。語った回はこちら。乙女成分、足りていますか? - タイドプールにとり残されて
*2:最近は個人的なトレンドとしてまた一周回っていて「オタクってなにかと全然ダメじゃね?」という気分になっているのである。