『冷蔵庫を壊す』
という本を読みました。全体的にポジティブな印象はあまり持たなかった。
恋をする小学生男子の見る世界を、さまざまなサブカルの引用や比喩をたくさん使った文章で描く……、といった感じの内容で、子供時代の体験を純粋なもので美化しつつ、大人の趣味を押し付けているみたいな、大人が子供を植民地化しているようなムードとなっている。個人的には全く好きではないアプローチである。
ただ、そんなナイーブな作りだったので、終わりかたはこうだろう、と勝手に予想していたのとはけっこう違う、ビターな終わりかたをしていてそこはとても印象に残った。最後の最後で、読んで無駄ではなかったな…というふうに感想が上方修正された。
どっちかというと児童文学で、主人公と同じ年くらいの男の子が読むとけっこう衝撃的な読書になるのではないでしょうか。それだと、最初のほうで言ったdisはあんまり関係なくなるし。
富士正 辛口 あさぎり蔵出
個人的引っ越し後の恒例行事、カップ酒を買って飲む(お酒と同時に、飲み終わったらコップも手に入るので二鳥なのである)をやっていた。
飲んだのがこちらのメーカーの、「辛口 あさぎり蔵出」という銘柄。あまり外目にでかでかと打ち出すブランドではないからなのか、コーポレートサイトには商品紹介は載っていなかった。
けど、富士山と正を四角に入れたロゴ(しかもマットなオレンジ色)がきれいでよかったし、味も、添加アルコール感は強めなものの、ライトにきりっとまとまっていていいお酒だった。
こういう外向けじゃない酒を飲みこなせると地元民になった感じがしていいよな。
韓国のアカペラ集団MayTree
Baba Yetu (acapella) #civilization
という動画を見て以降、韓国のアカペラ集団「MayTree」のことが気になっている。Baba Yetuは個人的に思い入れの深い曲でたまに聞くんですが、それ以上になにこの人たち。
ずっと前だけを見ていて絵変わりがないのだが、歌いながらの表情が良いのでじっと見ていられる。タブレットをこっちに向けて元ネタ映像を流しているのも、雑な著作権回避だが、非常に印象的である。あと、めちゃくちゃアカペラの完成度・再現度が高い。
サンイン:歴史上最も古い楽器は、人間の声なんです。人間のDNAに刻まれた温かさや愛おしさで作られた音楽には、誰も拒めない魅力があると思います。
スギョンさん:特にコンセプトはなく、アカペラが好きな仲間が集まって、音楽を上手になりたいという熱意を持ち、自然な音楽を追求しています。そして、その先に、聴いてくれる人たちに何か伝えられれば、という想いがありますね。
すでにある程度有名なようで、日本語のメディアでもいくつか記事が見つかった。
僕が見たときは最初はBaba Yetuだったので、「なぜBaba Yetuなんだ…?」という疑問を当然持ったのですが、投稿されている動画のバックナンバーを見ると、なぜとかはなく、けっこう無節操に人気コンテンツをいろいろやっている模様。とりあえずウケよう!というスピリットはなかなか潔くて好感が持てますね。タブレット携帯スタイルも一貫している。
APP sound effect (acapella) - YouTube
曲だけじゃなくてこんなアカペラも。世界市場を意識してか、絶対自分らはふだん使っていないようなローカルアプリまで取り入れていてバズる気満々である。そして実際に2000万回の再生回数を叩きだしている。