ケミカル不足(90+8' 90+10')

 

 23-24UEFAチャンピオンズリーグ、グループステージMD1のマドリーvsウニオン・ベルリンを見ました。最初はおたがいに立て続けにゴール前のシーンが訪れて、おお乱戦か!とちょっと思ったのだが、次第に旗色はマドリー寄りに明確になっていく。0-0の時間が長く続いていって、マドリーがゴールを奪うかどうか?が争点になるゲームになりました。

 

 マドリーの前線はロドリゴ、ホセル、プラスベリンガム。衛星的にプレーするのを好むロドリゴと、シュートを打つ前に一瞬マークをはがす形を持っているホセル、そして2列目から飛び出す形でさんざんスコアを挙げてきたベリンガム、と3人とも相手の視線を外したところでフィニッシュするのが得意な選手で、しかし相手の視線を一身に集められる選手がいない、というちぐはぐさ、もどかしさを感じた。

 とはいえまあ、編成からミスっている、……まあミスというか、しゃーなしなシーズンなのであまり言ってもしかたのないことなのですが。……でも、後半の後半くらいからロドリゴがボールをもってプレーして、注目を集める役回りになったのは良かったと思いました。

 

 結局、最終的にはロングシュートのこぼれ球をベリンガムが押し込むのですが、ブラヒムも足を振っていて、セレブレーションのとき、ふたりで並んで(違う方向を向きながら)喜んでいてなんか変な空気になっていたのが良かった。

 いや、良くなくて、ピッチ上はともかく、やっぱこういうなにげないシーンにも表れるケミストリーの不足感は非常に気になるんですよね。ギャラクティックな選手が増えたシーズンですが、その結果できたのがギャラクティックな選手たちと、「ギャラクティックになりたい!」っていう選手たちの混成物、となるのは非常によろしくない。弱いですからね、そういう(偽の)ギャラクティックチームって……。

 

 やっぱ、空気のいいチームも知っちゃってるのでね。……マドリーは90+4分で勝ち越したけど、先週のトッテナムは90+8分でおいつき、90+10分で勝ち抜いたのである。一生おぼえているであろうすごい試合だった。

 

 いろいろ感想をネットで見て回ってて、自分の中で反芻もしてて……。

 

 個人的には正直0-1で負けていたとしても、「押し込んで押し込んで決めきれずに負ける、……って強いチームみたいでなんかいいじゃん!」と思うくらい完全にポジティブに試合を見ていたのだが、終盤のまさかの展開に完全に感情を置いていかれてしまった。

 

 きついニュースはあったが、それでも前線の人員は十分足りている。かなり最高のテンションでノースロンドンダービーに乗り込めるの、いいですね。