新天地のファーストインプレッション

 

 出ようと思えば東京の会社に出社可能な距離、できれば東京の影響圏を脱するために山ひとつ超えた場所で、車がなくても生活可能な程度の都市、近くに海があること、……これらの条件を総合し引っ越し先を「沼津」に決めたのが3~4か月くらい前のことだっただろうか。

 いろいろ困難はあったが、無事転居は成功。とりあえずバタバタもひと段落したので、今回は沼津のファーストインプレッションを挙げていきたい。

 

 まずは部屋。いったん機能を果たす程度に、最低限完成したのですが、こんな感じとなった。広さはいい感じで、空気感や居心地も良い。まだ収納は足りず、カメラに写っていない範囲にはけっこう物が散らばっているのだが、それはおいおい解決していくべき課題ということでしょう。

 

 机とベッドの位置ですが、机とベッドがバラバラの状態で業者から届いて、それを組み立て終わった地点にとりあえず設置したんですね。まあ本格的に部屋の模様を決めるのは後ででいいだろう、と思って。

 しかし出来上がってみると、これはこれでけっこうありじゃんという気持ちになった。斜めの線があることで部屋の構図に動きが生まれており、なんか、過ごしていて適度な緊張感やダイナミズムを感じるんですよね。

 

 ふつうに直角にものを配置した部屋であれば、思考は固定化し、部屋に一日引きこもって何もしない日も増えると思うのだが、このように家具を配置することによって、どこかへ行こう、なにか新しいことをはじめようというスタンスになっていくのである。

 

 あと、面で壁に接している大きな家具がないというのは、掃除をするにあたってもけっこう利点かもしれない。大きな家具と壁が接しているところって掃除ができなくて、埃がたまっていって、次第にだんだん意識の外へ追いやられていくじゃないですか。この部屋配置だとそうはならず、掃除的デッドスペースもないので、逆に空間を有効活用しているともいえる。

 

 ここ数日はネットもなくてヒマだったので、街中でいろいろ飲み屋を見て回っていた。そうでないお店もたくさんあったが、味のあるいいお店もけっこうあった。

 なんか面白かったのは地下にある半分廃墟みたいなバー*1。先客にGaryというアリゾナ出身の沼津人がいて、なんか話の流れで彼が製造・販売しているというBBQソースをその場で購入してしまった。

 

 「デスソース?」と聞くと、しかめっ面をして「デスソース、違う。デスソース、不味い。これは、おいしい」と言っており、デスソースとくくりにされるのはマジで嫌そうだったが、実際めちゃくちゃ辛いらしい。試すのが楽しみですね。

 

 家の近くにあった日本酒と一品料理のお店では、「丹宗」という、メーカーが作るのをやめてしまって、いま世の中に出回っているものしかないという幻の芋焼酎を「これは売り物じゃないから、売ることはできないんだけど、ちょっと味見してみませんか」と相伴に預かった。たしかにおいしかったですね……。

 料理もおいしく、これまで食べたことのない、オリジナルのものであった。僕も最近は「美味しんぼ」を見ていて、美食を志しているのでとてもいい経験になりました。

 

 街と部屋、ふたつをいいバランスで行き来しつつ、沼津での暮らしを公私ともに楽しみたいですね。

*1:演出ではなく、実際に昔ここを襲った洪水でこのように半分廃墟になった、とのことだった。