歴代ベストBGMを選んで自分に最適化されたドラクエを作る 前編

 

 いつ鬼籍に入ってもおかしくない、というのはファンの統一された認識だったが、実際にその日が来ると世の無常さを感じるものである。

 

 ニュースを聞いて、ドラクエの音楽を聴き返す一晩を過ごした。やっぱりいい曲、思い出に残っている曲がたくさんありますね。なので今日はドラクエの曲を、曲が流れるゲーム内のシチュエーション別に、シリーズ内で一番好きな曲を選んでいって、僕に最適化された最強のドラゴンクエストを作っていきたい。

 

オープニング→序曲のマーチVII

 オープニング曲はシリーズ作品ごとにけっこう~ちょっとくらいの違いがあるらしいのだけど、個人的には正直言われないと区別がつかない。なので、いちばん親しんだドラクエVIIの序曲をチョイスします。

 

 調べてみると、「海をイメージしている」ということで、ちょっとほかの序曲よりテンポがゆったりめらしい。

 

フィールド曲→遥かなる旅路(II)

 作品の顔となる「フィールド曲」。「広野を行く」も好きだし「勇者の故郷」も「冒険の旅」もべたべたながら正直良さを感じずにいるのは難しいし、一旦置かれがちな「広い世界へ」「さすらいのテーマ」あたりも渋くて素晴らしい。

 

 ……どの作品のどのフィールド曲にも語りたいポイントがあるのですが、1曲決めろと言われたら「遥かなる旅路」だと思う。「遥かなる旅路」です絶対に!

 

 仲間がまだ集まっていないorだれかやられちゃったときに流れるこの曲は、冒険をしているパーティーの孤独や心細さ、けれど足を止めることはないんだぞ、というような凛とした感じがあって、聞くたびに背筋が伸びる。

 リメイク版だったりオーケストラ版では、旅の一幕の休息や回想をイメージさせるようなやわらかなフレーズの追加パートが付け加わっていて、それがさらにオリジナルの凛とした感じを引き立てている。個人的にはミニマルな、いちばん最初のファミコンバージョンが好きですが、リメイク版にも違った味があっていいですね。

 

城→王宮のメヌエット(IV)

 お城の曲は難しいですよね……。それぞれの作品ごとに特徴的な曲はあるんだけど、「城」というポジション的に、基本的には典雅なバロック風味の曲が流れるので、雰囲気に合っていい曲だな~とは思うけど、「好き」まで至るのはちょっとハードルがあるというか。

 

 なのでそんなにセレクションをしたい気はしないのですが、あえて選ぶとするなら「王宮のメヌエット」。とくに夜行ったときのチェンバロアレンジバージョンが好きで、夜の(扉が閉まっていて入れない)城にゲーム中で何度も訪れた。

 

 でもここはまじで何でもいい!

 

町・村→木漏れ日の中で(VI)

 これは即答ゲームでした。もう本当に「木漏れ日の中で」は好きです。木管で奏でられる曲を一貫するメロディーラインが、素朴ながらきらびやかでとてもかわいい。

 最近はこの曲、ファンの間でも名曲としてめっちゃ評価されているっぽいのだけど、10~15年前のドラクエ6がこき下ろされていた時期にはそんな評判聞かなかったような気がする。時代が追いついたということか。

 

 ドラクエ6はほかにもいろいろな曲がこの曲のメロディーをアレンジする形で作曲されていて、統一感があっていいですね。村の曲である「ぬくもりの里に」もとても好き。

 

歴代ベストBGMを選んで自分に最適化されたドラクエを作る 後編 - タイドプールにとり残されて