Dis芸 ほか

 

Dis芸

 という本を読んでいたのだけどとても面白かったのでぜひ共有させてください。デザインとか機能とか、会社に与えた赤字などさまざまな面で「最悪」だった車を紹介していくカタログの本なのですが、悪口の話芸がとても面白い。

 「車輪が四つついたゴキブリ」「史上最も無意味なクルマ」「整合性を欠く鉄の塊」「小心者を絵に描いたようなクルマ」「短足しか乗れない」……などなど、気合の入ったバカにする言葉がバリエーション豊かに並んでいる。数ページ読んだところで「イギリス人が書いているな」とわかったよね。

 

 ただ、その辛辣な筆致から車に対する愛とユーモアが伝わってきて、車をなにも知らなくてもページをめくるのが楽しい。たまにちょっとほめてたりもしてツンデレ感もありかわいい。

 エッジの利いたDis英語を自然な日本語に訳している翻訳もとてもいい仕事をしていると思う。

 

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じつに変わった宣伝戦略だ。大半を空白にして肝心の車は右端にちょこんと。恥ずかしくて見せたくない、という本心のあらわれか。

 販促ポスターを引っ張り出してきていじるのもいちいちいじわるで面白かった。一番笑ったのは車に乗って海のアウトドアに向かう人物をイメージにした広告ポスターに対して「彼らがウエットスーツをつけているのは、これから海に入るからではない。雨漏りを心配しているのである」みたいなことを書いていたところ。

 

21/22UCLグループステージ2節 パリ・サンジェルマンvsマンチェスター・シティ

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PSG 2-0 Manchester City: Magical Lionel Messi goal seals Champions League group-stage win | Football News | Sky Sports

 

 面白い試合だった。ボックス内での理不尽なフィニッシュ力に課題がある印象のシティに対し、PSGはメッシのサイドを案の定起点にされたりしながらも、中盤+サイドバックの安定したポジティブトランジションを突きつけて完勝した。

 とくにゲイエとヴェラッティ、ヌーノ・メンデスは化け物ですね。シティのネガティブトランジションにちょっとキレがなかったり、前線3枚の顔の出しかたや受けたあとの破壊力などもあるけれど、やっぱり中盤とサイドバックの継続的な動きがキーになるチームなのではないでしょうか。いや~いい試合だった。

 

 と思ったら裏でモルドバから出場しているシェリフというチームがサッカー史に残る試合をやっていてびっくりした。こっち見とけばよかったな……。

 というかシェリフってモルドバモルドバでも沿ドニエストルのチームですよ。モルドバリーグにふつうに加入しているのか……。このへんの詳しい話もこれを機に報道されると嬉しい。気になりすぎる。

 

日和らず良くないと言うのも大事だ…

一つ言えるのはこの川柳には人の感情を揺さぶる何かはないということだ。
川柳は情景が浮かばなければいけない。
この川柳では浮かぶべき情景が一つに絞れない。
これでは駄目なのだ。

 最近読んだこのはてな匿名ダイアリーとそれに対する返答が面白かった。お茶の横に書いてあった「夕立や象を洗いてまたたく間」という句に対して、けっこう強めのディスをするのだけど、

 

そんな、まるで壮大な幻を一編の短編映画に仕立てたような幻想を、わずか17字に詰め込む、これこそが俳句の妙であり、これはそんな俳句という表現形式の魅力を存分に発揮した作品だと言えるでしょう。実に見事というほかはありません。

 別のひとからその「良くない」に対して「いや間違ってる。これはいい句である」という真正面からの返答をする。

 

 2番目のひとの議論はとてもパフォーマンスが良く、最初のひとの問題提起はちょっと2番目の人の話からふりかえってみれば、やや甘くて不遜なものにみえる。けど、最初にちょっと甘くてもこれくらい強めに言いきってDisっておかないと、2番目のひとのパフォーマンスのいい文章はこの世に生まれなかったかもしれないんですよね。

 

 あまり詳しくないジャンルについてDisを仕掛けるのは詳しい人の反撃が怖くてちょっと遠慮したりしちゃうのだけど、そして個人目線で見ればたしかにその指針で間違ってないのだけれど、共同体に与える正の影響ということであれば、べつに知らなくても間違っても、最低限のリスペクトを持ったうえで積極的にDisっていく人のほうが、へんに日和ってあいまいに言っちゃうより貢献しているのだなあ、と思って感動した。よいやり合いだ。