ゲル

 

 大学入学直後、大学のクラスで行く合宿みたいな行事があって、そこでゲルに泊ったことがある。そのときはクラスにはなじめず、その後もまったくなじむことができないまま留年したのであまりいい思い出はないが、最近ちょっと思い出してゲルに泊りたくなってきていた。

 

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 泊まりにいった。トランポリンとか、スケボーとか、ワイヤーアクションとか、自然を楽しむ家族連れ向けの施設である。バーベキューブースと焚き火炉もあるので、どちらかというとこちらを楽しんでいきたい。

 

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 焚き火とバーベキューを楽しんだ。やっぱり近くで火が燃えていると嬉しい。ひょっとしたら僕の前世はヒトカゲだったかもしれない。

 

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写真が下手でごめんなさい

 施設内には鬼滅要素もあった。いまやなんらかの非公式鬼滅要素を入れるのが日本の観光施設ではマストとなっているのだが、ほんとうにこれでいいのか、もうすこし反省があってもいいような気がする。

 

 とはいえ個人的には最近「鬼滅」を読んだばっかり *1だったので、鬼滅要素があるのは素直にうれしかった。虫に刺されまくっている同行人に対し、「僕は蟲柱なんで刺されないんですよ」と何度も言っていたほどである。さすがにはまるのが遅すぎるので、誰も相手にしてはくれなかったが。

 

 ……というふうな楽しい野外アクティビティを過ごしたのだけど、一点問題があった。僕ちょっとこの前日に睡眠を失敗してしまっていて、当日朝起きたのが午前2時くらいだったんですよね。なのですごい眠かった。

 ただ、このゲルキャンプ形式だと、なかにはエアコンがある*2。睡眠は快適だろうし、まあ日中眠いくらいはべつにいいか。そう思っていたのですが……。

 

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 夏が残っている暑い日だった。風もまったく吹かなかった。ゲル内は完全に密閉されていて、エアコンも頼りなくて、めちゃくちゃ暑くて眠れなかった。サーキュレーターがあればちょっとはましだったのかなと思うのだけど、その設備はなかった。あまりにも寝られないので、しかたなく4時ぐらいを回ったころにはゲルを出て外のハンモックで眠った。外もべつに暑いので眠れはしなかったが。

 かわりに寝不足でぼんやりした頭で、木から漏れてくる星空を見ていた。虫の音が何重にも重なって聞こえていた。思考は何もできなかったので、ただそこにいて朝を待つだけの時間を過ごしていた。しんどかったけれど、すこし心地がいいような気もした。近くで急に人感センサーライトがついたと思ったら、猫がきていた。しばらくするとライトは消えた。宇宙を横断しているような感覚がした。

 

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 またこの面子で、なにか面白いことやりたいね。