川崎フロンターレは宿敵だけど、好き

 

 加藤浩次が隙あらば私情をちらっとだして北海道コンサドーレ札幌を応援してくれることでも知られるTBSの番組、スーパーサッカー。今年開設したYouTubeチャンネルで川崎フロンターレ優勝特番の模様を(ライセンスの関係で公開できない部分を除き)公開してくれていたので、楽しんで観た。

 

 1サッカーファンとして、川崎フロンターレはとても魅力的なチームだと思う。とくにこういう番組に出たときの魅力は群を抜いており、個人的には毎年優勝してほしいくらいだ。この番組にも良かったポイントがいくつもあった。

 

 今年、40歳という節目の年で引退を発表した中村憲剛選手は、すぐにクラブのアンバサダー職に就任が発表されたのだけれど、川崎フロンターレというクラブに関わることだけではなく、もうすこし広いくくりで、メディアに出るセカンドキャリアを送ってほしいなと思った。

 

 中村憲剛選手は本当に、伝えるべき物事を真摯に誠実に、そして軽いユーモアを交えて、自分がいじられ役に回るのも歓迎するし、かといって変にへりくだりすぎることなく、傲慢側にも卑屈側にもちょっとの針も触れさせることなく、ありきたりではなく独自の、聞いていて面白いことを話す稀有な力を持っている。

 

 今回の特番でも、ちょっと面白い感じの感覚的な受け答えをしていた田中碧選手を年長者としてフォローしたり、Jリーグファンならキャラを知っているけれどここではじめて見る人もいるかもしれない登里享平選手のちょけたフリップに「ノボリはこういうひとだから…」みたいな補足説明をしたりしているところが印象に残った。引退宣言をしたこともあって、中村選手が主役みたいなところもあったのだけど、点取り屋ではなく、いつもピッチにいるときと同じような仕事をしていた。

 

 ……そして、山根未来選手が湘南時代の思い出話をしたとき、「たぶん憲剛さんは俺のこと知らなかったですけど」と言ったときに、前列でちょっと笑いながら「いや知ってたよ(あたりまえだろ)」みたいに言ったときのかっこよさはこの世のものではなかった。

 

 田中碧選手がリーグ初出場のとき、中村憲剛選手がわざと無理目なシュートを打って一分でも長く出場できるようにしてくれた*1エピソードは(小林悠選手のちゃちゃも含めて)面白かった。し、……個人的には苦い思い出として残っている。その田中碧選手にそのままプロ初ゴールまで与えてしまったのは、僕の愛してやまない北海道コンサドーレ札幌なので。

 

 この日はつらかったけど、裏にこんないいエピソードがあって、田中選手もとても素晴らしい選手になっているのでもういいです。

 

 川崎フロンターレはリーグ戦4試合を残して、史上最速でリーグ戦優勝。成績もここまで24勝3分3敗という圧倒的な成績で、Jリーグ史上最も強いチームではないかとも言われている。言われている、ではなくて、もう、もっとも強いということで良いと思います。

 

 そんな日本サッカー史上もっとも強いチーム、2020年の川崎フロンターレに勝ったチームがあるんですね~。

 

 それが、……まだそんなに強くはないけれど、社長から選手、サポーターまでみんな頑張っていてかわいいし、史上最強チームにも勝てちゃうくらいたまにはつよいチームなので、ぜひみんなで応援してみませんか?

 

 サッカーの試合は90分と長い*2ので最初は見なくてもOK、たまにニュースを追いかけたり、気が向いたらハイライトを見たり、僕と会ったときに「札幌って最近どう?」とか聞いてみるくらいからでも、……ぜひはじめましょう、コンサドーレサポーターライフ!

 

*1:サッカーでは選手交代の準備が整っていても、いったんボールがフィールドの外に出るなどしてプレーが途切れないと選手交代は認められない。

*2:元日本代表の内田篤人さんも「90分は長いので観ない」と言っていた。