『個人識別』 ほか

 

白隠正宗 夏限定 誉富士純米酒

金魚と風鈴が目を引く涼しげなラベル。
香り穏やかさっぱりドライな味わい。
夏野菜に合わせてグビっといきたいお酒です。

白隠正宗 夏限定 誉富士純米酒 | 送料無料サービス有!酒専門通販【たけくま酒店 ONLINE STORE】

 人が遊びに来たときなどに「沼津地酒があるよ!」とおすすめしがちなのもあり、いまのところ圧倒するけっこうな頻度で飲んでいるのがこちら「白隠正宗」。今日はスカイブルー+白文字のラベルが印象的な「夏限定」verを飲みました。


 しっかりとした味わいに、ほどよいアルコールの刺激があって、たしかに野外だったり熱い部屋の中だったり、そういうばて気味なシチュエーションで飲んでもよさそうなとっつきやすさがある。とてもおいしいお酒でした。夏の間にみんな沼津においでね。

 

『個人識別』

個人識別 新書マップ

 という本を読んでいました。図書館でなんとなく手に取ってひまつぶしにパラパラめくったところ、まえがきが面白くなかなか掴まれたのでそのまま貸出手続きをした。

殺人事件において、犯人が死体の処理に困った挙句にとる行動には地域性があり、東北では火をつけ、阪神地区では死体をバラバラにし、海岸地方では死体を山に埋める傾向がある。

 法医学の領域で問題になる「個人の識別」という課題にたいして、実際にどのような手法が使われ、どんな努力がかけられているのか、実際のケースも交えつつある程度テクニカルな部分まで解説している。

 専門家によるニッチな分野の紹介、という内容でそれだけでもすべてを面白がれる人には面白いのですが、ちょっと文章に形上は抑えたユーモアが入っているのもいい。大規模災害で検案に当たる医師に「(だいたいテンプレが決まっているので)思案の末に独創的な死因を記入してはいけない」ときわめて実践的なアドバイス*1をしているところなど、良かったです。

 

黄金トマトのカル麺

 非常にグーグルマップの評価が高いラーメン屋、「黄金トマトのカル麺」に行ってきた。前々から一度は行ってみたいと思っていたのですが、微妙にふだんの行動圏から外れたところ*2にあり、かつ通し営業をしていないので、これまでなかなか行く機会がなかったのだ。

 

 実はトマトラーメンをちゃんと食べたのは初めてかも。だしを根詰めて煮取る必要がないからか*3、けっこうスープがじゃぶじゃぶに入っていて、麺はもちっとした食感。卓上にはタバスコがあり、味変も可能。まあ僕の中でいちばんは家系ラーメンで、そこからはかなり距離のあるグルメなのでたまにしかいかないと思いますが、でもたまに食べたくなるだろうな…、という気持ちになった。

 

カル麺公式ホームページ - イタリアン×ラーメンの美味しさにハマる!

 本来こういう商業の匂いがするラーメンはポリシーとしてあまり好まないんですけどね、でも味はおいしい。

*1:まあ相当昔の本なので今はOKとなっている可能性はあるが。

*2:駅前ではあるのでアクセスが悪いわけではない。

*3:たぶん。

ドラクエ7プレイ日記12 お別れ(しばしの)

 

 ちょっとゲームは進めずに寄り道した。ホンダラに挨拶するとメルビンが「この人の肌のぬくもりを知っている気がする…」と言う。本当にそれはそうなのだが……。

 

ルーメン編

 このあたりでけっこう長いあいだプレイを中断してしまった。単純にいったん飽きたというのがその理由の一つである。これまでも人生で、学業、恋愛、仕事などさまざまなことを途中でめんどくさくなってやめる…、と言ったことをしてきましたからね。予後が悪い。

 

  • もうひとつの理由としてこのあたりからけっこうパーティー強化の度合いにゲームが追い付いてきていて、戦闘が面倒になってきたというのもある。
  • ルーメンで戦うボスにもけっこう苦戦した。初回プレイ時には何の印象もなかったのだが、改めてふつうのレベル帯でやると闇のドラゴンとか結構強かったんだな…、と思った。
  • ボスだけでなく通常戦闘も、苦戦はしないが時間がかかるように。職業を受け優先で進めているので、攻撃手段が「かまいたち」「どとうのひつじ」(+炎のツメ)くらいしかないのですが、これに耐性を持つ敵が出てきてるんですよね。多用していた1ターン休みや眠りもあまり入らなくなってきたし…。

 

プロビナ

  • イベント中、ゲームの与えてくれるヒントに従って寄り道をすると、プラチナソードをタダでもらえるイベントが。こんなのあったんだ。……でも手持ちのまどろみの剣と奇跡の剣のほうが強かったので袋にしまうことに。

 

  • 侵略者が求める黄金の女神像を目の前で破壊することで争いを止めようとするラズエルくん。若さがまぶしい。
  • しかし行動が裏目に出たあとも魔物を2匹斬り倒し、とくに後悔や絶望でめそめそする様子なども見せず、次善とみられるリカバリー策を淡々ととり続けていたのでかなり有能者なのかも。
  • と思ったらガボは「おっちゃん」呼ばわりしているので、ラズエルはそんなに若いというわけでもないのかも。ひょっとしたら俺くらいの年か?

 

 そしてついにこの時がやってきてしまった。最初はこのゲームプレイを2か月ほど中断していた理由として、自分のさぼり癖をあげていたけれどそれは一面的なものの味方で、本当はこのイベントが来るのが憂鬱だったからかもしれないですね。

 

 子供のころは「いままでの家を抜け出すやんちゃさはどうなった?」「なんで船を降りたんだ。世界を救うほうが100倍大事だろ」などと思っていたのですが、いまはこの背景に冒険を通じたどんな心情の変化があったのか思いをはせるに足るオタク二次創作筋が備わっている。

 

 しかし別れのあとには出会いがある。過去編ものこり3地方なので、マリベルは恋しいけど粛々と進めていきたいですね。その間はpixivで最高のマリベルでも見ておくか…。

 

#ドラクエ 無題 - ありんすのイラスト - pixiv

#マリベル マリベル様 - 南文夏のイラスト - pixiv

#DQ7 雨の日は帰ってこない - しまのイラスト - pixiv

 

最初:ドラクエ7プレイ日記1 エスタード島に流れる時間 - タイドプールにとり残されて

 

 

ゴールデン 沼津~堂ヶ島~大仁~三島

 

 東京から友人が沼津まで遊びに来た。まずは「山正」という、沼津ではけっこう有名なお寿司屋さん(毎回うなるほど人が並んでいる)でお昼を食べ、

 

アジの塩焼き定食

 図書館やリバーブックスという本に縁のあるスポットをすこしずつ巡り、時間をつぶした。そのあとは何をしたかというとBBQですね。

 

BBQ場受付 梨子ちゃん推しだった

 場所はLot.n(ロットン)という狩野川沿いのテラス。かかっている鯉のぼりを眺めて季節感を感じながら肉を焼けたのは非常に良かったです。BBQというよりは鉄板焼き屋にふさわしいのではないか、というくらいけっこう気合の入ったお肉を買ったので、正直いまだにあの肉の味が思い出として焼き付いている。肉は日和らず、ぎりぎり可能なまで高いのを買うべきであるな。(BBQ Tips)

 

 翌日は西伊豆堂ヶ島へ。東京側からでは「伊豆に行く」と言ってもなかなか来ない「西側の伊豆半島を楽しむ」という計画である。交通事情はかなり悪く、路線バスも渋滞につかまりめちゃくちゃ遅れたが、車内ではずっとサッカーの話をしていた*1ので体感はあっという間だった。

 堂ヶ島での遊覧船アクティビティは、海中の洞窟を回ったり、島と島の間に挟まれためっちゃ狭い水道を進んでいったりとかなりアトラクティブだった。

 

ひさびさにけっこう運動したので塩が舐めるとうまかった

 

 そのあとは海を離れ、伊豆の山中にある「大仁」という地域へ。この半島はわりとどこでも温泉が出ていて(ホットスポット)、大仁にもこのような温浴施設があった。

修善寺時之栖

 これが非常に良かったですね~。繁忙期でお客さんはたくさんいましたがそれをしっかり飲み込んでさばききる大容量の浴場と付属設備があり、しかも60分利用で1000円ちょいとお値段もリーズナブル。お風呂の種類も豊富で、個人的には痛すぎて長いこと浸かってられない(でも気持ちいい)「塩風呂」が最高でした。

 今回はスパだけ行きましたが、ほかにも野外サウナやパン屋さん、ジェラート屋さん、そして趣を凝らした宿泊施設があって、正直MAX利用してくつろぎたいという気持ちも強い。

 

 というか、せっかくこんな近くに伊豆半島があるんだからもっと気軽に行くべきでは俺?という気も。

 フルタイム勤務になってからは休日を旅行に使うなんて翌週の勤務が憂鬱になるだけだから無理wwみたいな態度でいたのですが、かといってまとまった休みを取得するでもなく、静かに朽ちていた放浪欲。呼びおこしてこういうところで手軽に発散するのはありな気がする。

 

 あっという間に夜になっていて、東京行き終電の時刻が迫る。最後の最後までうなぎ屋に行くことを模索していたが、それは結局叶わず、まあなんでもいいやということで博多ラーメンのお店へ。

 本当になんの変哲もないラーメンでしたが、博多ラーメンは結局こういうのが一番うまかったりするんですよね。

 

 楽しい2日間でした。

*1:同行者は全員サッカー大好きだったのである。

「猫の手だって役に立つ」 ほか

 

すばらしき2ndチーム~23-24ラ・リーガ第34節 レアル・マドリーvsカディス

 ミッドウィークにCLバイエルン戦第2戦を控えるマドリーは今回も大幅なターンオーバーを実施。スタメンにはそれに加えて怪我から復帰したクルトワも並び、シーズン終盤なのにまたフレッシュな一面を見せている。

 そのフレッシュな面々が、それぞれいい意味で自分の持ち味をアピール*1。マドリーのいちばん強い詰めを見せれたわけではないですが、それでも気楽な試合でのびのびと戦いました。すばらしき2ndチームだなという感じである。

 

 しかしそれ以上に途中投入された本来のスタメンは「別格」の力を見せつけましたね。ラボーナで遊びながら脅威になっていたヴィニシウスもたいがいであるが、やはりこの男JUDEもヤバかった。点を取るのってこんなに簡単だったかサッカー、という気持ちになってしまう。彼を見ていると。

 

 試合終了間際にはホセルのゴールでおみやげ過剰😊。ほくほくだ…、と思って寝て起きたらなんとジローナの頑張りによりリーガ優勝まで決まっていた。おめでとうございます。

 

「猫の手だって役に立つ」

『猫の手だって役に立つ』NOBEL | ツイ4 | 最前線

 「猫の手だって役に立つ」というwebマンガを読んでいました。「最前線」という星海社がウェブ上で展開しているメディアの1コーナー「ツイ4」*2で連載されている作品で、猫の姿になったり人間の姿になったりできる女の子と、人間に対しては壁を作っているが猫のことはなべて大好きな男の子を主人公にしたラブコメである。

 

 個人的な性癖としてもこういう設定は好きなのですが、もうすこし客観的な薦めかたをすると、この作品、……というかこの最前線・ツイ4という媒体に載る作品全体的にいえることなのですが、登場人物の考え方・動きかただったり作品全体の向かっていく方向や細かいつくりが非常に前向きに洗練されている感じがあるんですよね。

 時代の流れが半歩先読めている*3というか、いまこういうことにしたほうがかっこいいし、新しく共感できるよねみたいな。そしてコンテンツにおいては古臭いより新感覚なほうがほとんどの場合良いのである。モードは古き良き萌え4コマという感じですが、中身はまた一味違う。

 

 ネットで気楽に読めますし、フォローすれば更新も受け取れる。おすすめです。

 

うなぎの幻影

 昨日人と「うなぎを食べに行きたい」ということになり、「でも諸々勘案すると食いにいけないかもしれない」「いや可能かも」「やっぱり無理だ」「いやせっかくだしいこうぜ」「いや~でも時間ある時にまたにしない?」などとなった結果、結局うなぎをあきらめた(博多ラーメンを食べた)ということがあった。

 

 そのときはそんなにうなぎを食べたかったわけでもないのですが、結局行けなかったとなるとむしょうに食べたくなってくるものである。

 

 というわけでうなぎをひとりで食べに行くか……、と出かけたのですが、まあ~GW。ふだんより贅沢するか、となる人が多いらしく、近くにあるどこのうなぎ屋も満員大行列でした。

 

 結果、うなぎ屋の隣にあったそば屋でそばを食べた。……こういうときってだいたい何を食べても物足りない感が強くて感動できないものなのですが、意外にも感動可能ないいそば屋だったので紹介したい。

 あまり商売っ気のない店構えと値段で、デフォルトのもりそばなのですがかき揚げのおまけもついてくるうれしい仕様。なんなら麺量もちょっと多めな気がします。味もなかなか良くて、個人的な町のそばマップを更新できたいい日になりました。うなぎの幻影はまだいるけれども。

*1:1vs2カウンターを止め切ったナチョも良かった。

*2:X4とは(いまのところ)なっていない。

*3:まあべつに若くはない僕がそう思うというだけで、いまキャピキャピの人らからしたらまた違う感想になるのだと思いますが。

短歌 83

 

そばにいて、とつたえる朝はスカジャンのねむたい光に包まれながら

 

 

昼メシはクレープ 駅の階段をひた駆け上がって万博へ行く

 

 

茶豆ああ家から届き気づいたら隣に来ていたハエトリグモも

 

 

真夜中にきみは目を覚ます人体でいちばんむき出しの臓器は眼

 

 

夏の夜のお墓は縦に伸びていて冷たい基礎に手を触れてみた

 

 

良さもあり野暮さもあってたまにいく居抜きでできたあなたのお店

 

 

そしてうつになる僕たち手を離しカットシーンのゲームみつめる

タコス&シュウマイ ほか

 

DQMJ2オムドロレス作成RTA

DQMJ2オムドロレス作成RTA 20時間以内挑戦(前編)

 ゴールデンウィークの入りにへんぶりーさんが新作RTAの配信をしていたため、ちょくちょくつけつつ、後ほど追いかけて20時間すべて見ました。

 

 前も紹介したんですけどこの人のRTAはずっとプレイしながらリアルタイムで話し続けるスタイルで、このトークがじんわり面白いんですよね*1RTAの戦略説明から雑談までシームレスに流れるように語り、とくに気に入った話題になるとけっこうこだわって話す感じがほほえましい。

 

 今回だととくにローズダンサーをスカウトするとき、低確率をリセットで粘るのですがその間をつないだトークが秀逸でしたね。8回目にたまたま成功したことで、エンドレスエイトを持ち出し、「こういうのはだいたい8回目でループを抜け出せるんですよね」となったほか、なぜか話が「好きな人への告白を成功するまで繰り返すとどうなるか?」というトピックに脱線。最終的には「現実ではスカウト成功率は見えないんですよね」というところに着地したのは面白かった*2

 

擁護不能~23-24EPL第26節 チェルシーvsトッテナム

 先のノースロンドンダービーでは負けたにせよ前向きな感情を抱き*3ましたが、さすがに今回は無理。どんなポジティブ筋を使ってもここから先につながる要素を引き出すことは、僕にはできませんでした。

 

 ベン・デイビス、ヴェルナーのOUTが確実に効く戦力減になっており、その他のレギュラー格の選手のパフォーマンスも軒並みいまいち*4。さらにチームとしての雰囲気まで悪化しており、……とくにホイビュアとソンがお見合いしてゴールを見送った2失点目、あそこで二人がコミュニケーションを交わさなかったのが気になりました。

 

 とりあえず順位は気にせず、終盤のBIG6戦をどこまでやれるかを大きな観戦モチベーションにしてきたが、いまのところ期待はずれな時間が続いている。しかしすぐに日曜深夜にはリヴァプール戦。期待はできないが、それでも見るしかない。シティ戦のころには、すべてが上向いていますように…。涙

 

タコス&シュウマイ

タコスはタコスミートではなくプルドポークが使われており、一味違った。

 最近開拓してよく行っているお店が「ナイト喫茶 モアブ」。その不思議な語感の店名にたがわない、不思議な調度と光の雰囲気が特徴的なスポットで、看板メニューはシュウマイとタコス、というこれもけっこうなオリジナリティ。お店に流れる空気感も好きで、近くによるとちょっと立ち寄ってしまう。

 

【ぬまつーグルメ】「ナイト喫茶モアブ」焼売とタコスの店できてた。(沼津市大手町) : 沼津つーしん

 店主さんともちょっと仲良くなったのですが、同い年ということがわかり、ちょっと共感を感じている。どちらかというとひとりでまったりしたいお店ですが、友人を連れてきて見たさもあり、……なんというかみんな沼津においでね!

*1:最近個人的に一番欲しい他人の異能がこの人のトーク力である。

*2:とくに異論はないであろう普通のことを、変わった文脈で言うと面白いというおもしろの形はあってそれがめちゃくちゃ上手なんだよな。

*3:何歩も先を行くライバルに胸を借りたような試合~23-24EPL第35節 トッテナムvsアーセナル~ - タイドプールにとり残されて

*4:今日はロメロとクルセフスキだけ及第点か。

この展開……まるで時代遅れのヒーローコミック本じゃないか~A-10「ヴィラン&シュガー」~

 

アメリカンコミックの悪人(ヴィラン)が証人保護プログラムで一般人になった!?
ヴィランの『ガンスリンガー』は、FBIに他のヴィラン達の情報を売り、
まんまと新しい身分を手に入れ、中学校の歴史教師におさまっていた。
だがそんな授業を行うガンスリンガーを見つめる一人の少女の不思議な視線。
その少女はガンスリンガーの正体を軽々と見抜いてしまう。
少女の正体とは?…そして時を同じく、牧歌的な田舎街に…大量虐殺犯の魔の手が迫っていた!!

ヴィラン&シュガー Kindle版(amazon)

 A-10さんのマンガ作品「ヴィラン&シュガー」を読みました。ブログタイトルはなんかネガティブなことを言っているように見えますが、こちら作中のセリフからの引用で、実際は非常に面白かったのでみんなにすすめたい。

 

こちらがアバンタイトルのあとに挿入される登場人物紹介。読んでわかる通りもう面白く、この後の展開に期待が高まる。

 はじまりの設定こそ、もともと「ヴィラン」側だった主人公のおっさんが、公権力に監視されながら過ごしている、というちょっとひねったものであるが、内容はもうまっすぐの王道で感動しましたね。

 ハイパーポップと言っちゃってもいいくらい「こうすれば世のフィクション愛好家は気持ちよくなるんだろ?」と言われているような、適度にひねった展開とまっすぐに素晴らしい演出。1話のみの短い漫画だから出せる、作りこめる良さがひしっと詰まっています。これを読んで本能的に気持ちよくならない人はなかなかいないのではないだろうか。

 

 王道なものを素直に良いと思わせてくれるのは、おそらく何度も考えてああでもないこうでもないと練った所々の演出と、全体のテンポ間や展開の調整でしょうね。ここは時間をかければかけるだけ良くなるということは誰でも知っているのですが、では実行して作品に具現化できるかというとほとんどの場合そうはならないのである。単に面白い作品ではなく、教科書でもあるんですよねこれは。

 

 モチーフはアメコミなのですが、読んでみると意外にも日本のオタクカルチャー風の「カワイイ」の表現があり、第一印象よりはかなり広い範囲におすすめできる作品である。セクシュアルな表現もないです。暴力描写は題材上ちょっとあるので注意。

 

 Kindle版で読みましたが最後のページにはこんなふうな全力宣伝がある。出版社を通したものではなく、同人誌として出たものをKindleでも発売しているという作品のようですね。そしてそんな形態の作品ならではの、作者の宣伝の役割もはしているのが良い。「これとよく似た漫画がもっと長く読めるの? 絶対に読みたい」と思っちゃったものね。