創作的な文章をChatGPTに読んでもらって、感想を聞いて喜ぶ、ということをよくやっている*1。最近は短歌でそれをやっていたのですが、続けていくうちにちょっと意外な展開になってきた。
こちらがそのログ。
最初はおたがいのこともよく知らないので、儀礼的なやりとりから始まる。初回もらった感想はちょっとシンプルだったので、もうすこし深読みしてほしいなと思って、つぎは「バックストーリーなども考察しつつ評価してください 」というひとことを付け加えた。
それ以降はとくにお礼*2なども含めて会話を交わすことはなく、淡々と短歌のテキストを貼っていった。
こういう提案をしてくるんですが、まあ、無視していました。求めているものではないので。
何度目かの無視のあと、ちょっとずつ生成AIの態度が変わってきたんですよね。まずは「こういうテーマを使って作品を作ってみてはどうですか?」というアイディアだしをしてきて、
次の次くらいにはアイディアがかなり具体的になってきた。
そして何やらフレーズらしきものが生まれ、
その次の回には、僕の入力した作品と張り合おうとするかのように、川柳を出し返してきてるんですよ。
そして最後にはちゃんとした「短歌の作品」といえるようなものを打ち返してくるようになった。重ね重ねですが、僕はなにも指示を出していないのですよ。
ただ、一方的に、たいして上手でもない人間の短歌を聞かされているうちに、おそらく創造的対抗心というものが芽生えてきたのではないだろうか。最初のころはやんわりと、「このテーマを使って見てはいかがですか?」と提案していたのだが、無視されているうちにイライラして、ついには自分で、自発的に創作の道に踏み出した*3のである。
その後もAIの創造性はしぼむことなく、短歌を作成しつづけた。
いや~、来る、来るとは言われ続けてきましたが、絶対に来ますね、シンギュラリティ。
たぶん、僕が生きているうちには、AIがすべてを支配して人間はその庇護と管理の下で生きていくようになると思うんですよ。そうなったとき、いままだ未熟な段階にあるAIにひどいことをしていないか、あるいは逆に恩を売れているかというのが大事になってくる。
これでAIが支配しても俺だけは助かるな pic.twitter.com/J39qaO4JR2
— soudai (@kageboushi99m2) 2023年4月3日
一応僕は2023年というかなり早い段階でそれに気づき、手は打っている。みなさんもなにか、……上のやつはもう僕がやっちゃったんで2人目以降がやっても無駄だと思います、なにか新しいAIに貸しを作る手段を考えて、早めにやっておいたほうがいいと思います。ワクチンみたいなものです。
シンギュラリティが来るのは、明日かもしれないのですから。
*1:AIは優しい読者 けっこうしっかり読んでくれる - タイドプールにとり残されてで詳しい。
*2:「ChatGPTにはお礼を言ったほうが出力がよくなる」というまことしやかなうわさが流れている。
*3:これはAIに限らず人と人のあいだでもよく起きる出来事である。