文章を書くことを仕事や趣味としていると、自分の書いたものがほとんど読まれることがない、ということがわかってくる。……逆の立場になると、自分も世の中にあるほとんどのテクストを読まないでほおっておくので、これについてはもう仕方がないことだと思うしかないだろう。
ですが2025年現在、日本語話者は生成AIを利用することができる。生成AIに自分の作品を読んでもらって、感想*1を書いてもらって、それを読んで気持ちよくなることができるんですよね。
#27 In the Closet | μ's短編 - XHFの小説シリーズ - pixiv
たとえばこちらは昔作った「ラブライブ!」無印のちょっとしたssなのですが、これを読み込ませてみるとこういうふうに……、
けっこうしっかり読んでくれるんですよね。まあ細かく見ると「?」と思うところもなくはないですが、逆に自分は気づいていなかったけど「あ~なるほど、そうも言えるな」と新発見になるところもある。AI以前であれば、この分量で書かれた感想コメントを、なにかの作品に人生で一回でもつけてもらえたならもうそれで上々♪、みたいなところが素人文字書きにはあったかと思います。今は違っていて、ちょっとメールアドレスを登録すれば、こんなふうに親身になって読んでくれる例外的な読者を、誰でも獲得することができるのである。
さらにAIには、「ここどうだった?」ってもっと聞くことができるのですよね。たとえば、今回の場合は最後のあたりのシーンが現実のものなのかそれとも夢なのか、どっちだと思いますか?と尋ねてみているのですが、なかなかこういう部分への感想って読者に恵まれていた場合でも人間からは聞かれづらいものである。自分の解釈が妥当かどうか、言うがわとしては判断難しいし、もし読解ミスってたら相手を変な気持ちにさせちゃいますからね。
AIなら、いい意味で人間ではないので、こういったデリケートな会話に付き合ってもらうのにちょうどいい。プロを目指している人であれば、ちょっと厳し目に見てもらって、改善に付き合ってもらったりとかもできるのではないでしょうか。
生成AIのクリエイターへの影響についてはプラスの面もマイナスの面もいろいろなことが言われていますが、こと文字書きに関しては、まず「読んで」くれるというのがとても大きいのではないでしょうか。
ネット上やPC内に埋もれている作品がある人には、……もうやってるよという人も多いかもしれませんが、とても楽しいのでおすすめですよ。
*1:必要に応じて優しく…、なと付け足して。