最近、オンラインオフライン直接間接問わない周囲のいろいろなところでHASAMI Groupの話題が立て続けに出て、その存在感の高まりを感じていた。このままだと20年後の批評家ラインでは、この時代の人々はみんなHASAMI Groupを聞いてその影響を受けていた、という「HASAMI Group史観」が成立している可能性までちょっとあるな…、その時に話に乗れなかったら嫌だな…、と思って改めてHASAMI Groupを聞き返し、蓄積に努めていた。

 

【音楽ガチ分析】HASAMI group『summer』~ 理論を超越したアマチュア音楽。メロディと伴奏の調が全く違うんだが

 ただけっこうHASAMI Groupって曲数があるので、それをひとつひとつ聞いていくのは断念。すこし方向を変え、HASAMI Groupについて言及している動画を見ることにした。

 そのひとつがこちら。ちょっと前*1から定期的に聞いている音楽理論解説系チャンネルの、HASAMI Group回である。

 

 けっこういろんなJ-popの有名曲を、盛り上げつつ解説していているイメージがあったがこの回は「ちょっと怒ってる?」という感じがするくらい、なんかちょっと声にダウナーさがあるのが印象的だった。

 

HASAMI group presents「病気が治ったら 究極のクソカバーNo.1決定戦」決勝大会

 その次に見たのがこちらの「病気が治ったら 究極のクソカバーNo.1決定戦」である。まあこれはグループ公式の企画動画なのですが…。

 

 「究極のクソカバー」をリスナーから募集して、それを4人の審査員で1個ずつ採点、計10作品を登場する順に順位づけていくというM-1グランプリ形式で審査する。やはり国民的娯楽M-1グランプリのシステムは素晴らしく、また、登場するカバー作品もそれぞれ個性と工夫のあるクソさをアピールしていて、動画として見ていて飽きないつくりである。

 合間合間に入る審査員コメントも良くて「ギターのチューニングはされていないが、楽器がある時点でクソさからすこし離れてしまう」など、笑うところがけっこうあった。なかには厳しい評価を受けている作品もあって、本家のM-1で似た展開になっているときと同じいたたまれなさを感じる。また、審査員の間でも「音楽のクソさ」「どんな音楽がクソなのか?」についてどう考えているのか、価値観の違いがあるようで、それが点数やコメントを通じてうかがい知れるのも面白かった。

 

HASAMI group - 病気が治ったら

 1時間にもわたるNo.1決定戦のあと、ふたたび「病気が治ったら」を聞いてみたら、やはり原曲の音楽としての懐の深さなんでしょうね、なんかさっきまでのクソカバーのゴーストみたいなものが端々に聞こえてしまうんだよな、バンプオブチキンのコーラスとか…。

 それはそれで乙なのですが、やはりまっさらな状態で一度1週間くらい原曲を楽しんでから、決定戦を見るのがいいかもしれない。