バタフライ・ラヴァーズ・バイオリン・コンチェルト

 

 いつものように「ROCK FUJIYAMAチャンネル」*1のバックナンバーを漁り見していたら、「バタフライ・ラヴァーズ・バイオリン・コンチェルト」という曲が演奏され、それはそれはとてもいい曲名をしていたので、その曲を聴いて好きになる準備をもうしてしまった。

 

 何占豪さんと陳鋼さんというひとが作曲したクラシック楽曲で、中国語での本当のタイトルは「梁山伯と祝英台」というらしい。直訳しても伝わらないときに、おもいきってシンプルな語彙でどかーっと訳した結果、めっちゃいい語感になることがたまにあると思いますが、まさにそれじゃないですか。

 

中国の東晋の時代、会稽郡上虞の祝家の娘である祝英台が男装して余杭に遊学に出た途中に会稽から来たという梁山伯に出会う。ともに学ぶこと三年、深い友となった二人だが祝英台が女の身であることは知らないままであった。その後祝英台が学業をやめて里に帰ったので梁山伯が会いにいくと祝英台は馬文才といいなずけになっていた。梁山伯は思い悩み鄞県県令の職にあったときに死んでしまう。祝英台が嫁ぎに道をゆくときに鄮県県城の西の梁山伯の墓のところを通りかかると急に嵐が吹く。輿を降りて墓の前に行くと墓が開き、その穴に身を投げると二匹の蝶が出てきてひらひらと飛んでいった。

 ちなみにその「梁山伯と祝英台」というのはこういうお話らしい。中国ではよく知られた話で、いろいろな派生作品があるんですって。たしかにオマージュ元としてかなりすてきだ。いつか勉強してパロってみたい。

 

 そしてそれをもとにした楽曲、「バタフライ・ラヴァーズ・バイオリン・コンチェルト」がこちら。これはたぶんもとのお話のここの部分を表しているんだろうな、といったことが聴いていてわかる、非常にドラマティックな音楽になっている。メロディーもとても良い。とても良くて、最近聞いているものといえばもっぱらこれである。

 

東方紅1号が地球に歌曲『東方紅』を送信した前例から、今回の嫦娥1号にもいくつかの楽曲が載せられ、地上に送信されることになった。2006年7月7日、国防科学技術工業委員会は30曲の歌曲を選んで載せることを決定し、その後中央電視台、中国音楽家協会と共同で全国人民投票活動を行った。10月、国防科学技術工業委員会が提出した150余りのあらかじめ準備された曲から、30曲の歌が選ばれた。またこれ以外に2曲が特別に載せられることになった。

 中国の衛星が地球に送信しているいくつかの曲のなかのひとつにもなっているらしい。この事実もエモーショナルで良いですね。

 

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 「バタフライ・ラヴァーズ・バイオリン・コンチェルト」やっぱりいいタイトルだ……。スタンド能力が手に入ったときの名前候補リストに僕は加えておきます。みなさんはどうしますか?