朝起きた部屋で


朝起きた部屋で
鏡はすべて割れていた

金目のものもなかった
いっしょにいるはずの人も
いなかった
最初の最初から

「自分のことを見て!」
と人間はだれしも思うときが
ありそのときに見てくれた誰かを
一生忘れない

だから神さまは
だれにも忘れられていない

カーテンを開ければ
外に
朝日
太陽は上りながら空に
複雑な迷路を描いた