僕は電車がけっこう好きなのですが、にもかかわらず電車に乗るのがまったく好きではない。2023年ここまで片手で数えられるくらいしか利用していないほどである。
では、電車に乗らずにどうやって鉄成分を補強するのか? ……そう、YouTubeですよね。ということで最近お気に入りの鉄道YouTubeをふたつあげていきます。
綿貫渉/交通系YouTuber
ひとつめが「綿貫渉/交通系YouTuber」というチャンネル。実際に乗ってみた系の実写風景にあわせて、後取りの音声*1で景色の解説だったり補足知識などを乗せるスタイルの動画を投稿している。
車窓や駅の風景にあわせて、「この地点には〇〇というポイントがあって(知識)、ってことはこの辺にこれが見えるはず、……あ、見えましたね(風景)、これが〇〇です」みたいな感じ。
頭のなかだけの知識と、具体的な目の前のものが結びつくときってとてもわくわくするじゃないですか。このチャンネルの動画は気軽にそれを味わうことができる。ウーン、電車、乗る必要ナシ!!*2
【大食い】東京から大阪へ、寿司1貫で1駅進める旅
こういった企画色の強い動画もけっこうあるのが特徴。鉄道解説チャンネルなんて100個くらい世の中にはあると思うのですが、独自の切り口と企画力、動画のつくりの良さがあって強いチャンネルです。
鐵坊主
【大村市最強】西九州新幹線、新大村駅で人口の減らない大村市がさらなる高みへ
続いては「鐵坊主」。鉄道をフェチの対象というよりは、社会で機能を果たす道具、インフラとして見ている動画がメイン。
新しくできた鉄道、あるいは廃止の際にある鉄道などを題材にして、実際のところこの鉄道はどのように利用されて、どのように地域にメリットをもたらしているのかというところを、現地取材や統計データをもとに解説している。エンタメというよりは誠実性を優先したつくりで、地域研究の発表を聞いているような感じである。
【超完全解説】北海道新幹線函館駅乗り入れは、函館市が抱える問題の特効薬となり得るのか?
でも、これが鉄道という交通機関の寂しさ。本当に都会の路線を題材にしたものは別だが、それ以外は基本的には「採算が取れない」「基本は廃止にした方がいい」「思ったほどの効果がない」「沿線の人口が少なく、増える見込みもまったくない状態ではどうしようもない」といったネガティブな結論になるものがどうしても多く、切ない気分になる。ロマンやフェティッシュな感情をほとんど持ち込まないこのチャンネルは、とくにそうである。
でも、個人的には、というかみなさんも、この敗北の美しさというか、切なさを基盤にした色とりどりの感情が、現代の鉄道好きの味わえる蜜の味という感じがしませんか?
まあ実際には乗らないような浅いファンだからこそ、そう思うだけのしょっぱい意見なのかもしれませんが……。