短歌 64

 

苦しみの形に皺がついたまま夕暮れ医務室のベッドは並ぶ

 

 

きれいなままで買い替えの時期になったので傷をつけたいスマホカバーに

 

 

コーヒーをともなう休憩 立てかけた松葉杖そっと倒れはじめる

 

 

学食値上げ そしてちょっとだけ友達につかみかかった夕方のこと

 

 

「なぜ僕の生命線はみじかいの」雨をのがれていま行き止まり

 

 

詰襟は知的な香り 濡れたままの靴で君は今日も歩いた

 

 

いつまでもこの街で暮らす ハムカツと餃子7個の学生定食