ABC(D) Cをどうかよろしくお願いします。

 

 だから何、というわけでもない話なのですが。

 

 テキストは3つの態度で書かれており、それに応じて3種類の性格に分かれると思っている。

 「自分が何をどのように表現したいかを重視して書かれた」(A)テキスト、「テキストがどう伝達され、どのような効果を上げるかを重視して書かれた」(B)テキスト、そして、「テキストが、テキストの支持対象にどう忠実であれるか、を重視して書かれた」(C)のテキストである。*1

 

 これらはお互いを排斥するような性質である必要はなく、たとえば、作者のセンスや内面を表現することに成功しかつ(あるいはそれゆえに)ポピュラリティも得ている(AかつB)、といったテキストも多いだろうし、また、テキストの支持対象がそもそも作者自身と深く関係がある(AかつC)、といったテキストも多いでしょう。

 ただ、重心の置きかたが明確にA~Cのうちどれか1個だな、とわかるようなテキストもとてもあると思う。

 

 で、とても好みの話なのですが、明確にこの中だとCに重心を置いている作品が僕は一番好きである。AやBには積極的に良さを感じることがない、くらいまで強く言っても間違いではないと思う。

 諸説あることは受け入れつつも、テキストというのはそれが何をどの程度成功して表象しているかがまず重要でありそこが評価ポイントだと思う。作者のオリジナリティや読者へのインパクトはどうでもよい。今読んでいるテクストが「AやBへの考慮から、表象対象に対する真正性や敬意、誠実性を欠いている」と感じた場合、僕の個人的な感覚だととても冷める。AやBの観点で傑出していても、心情的にはそんなに興奮はしないのです。

 

 だから何、というわけでもないことですが。

 

 ただフィクションでCのものってあんまりなくて、供給不足感がすごい。「Cの点ですぐれている作品と比べて、AやBにおいて優れているほうがフックアップされやすい」「Cを突き詰めると文章は透明になっていき、対象のほうが主題化されるので、『作品』という観点で評価されることが減る」などなど、理由はどうしてもあるのでしかたのないことなんですが……。

 商業作はまだましで、Cの観点に良さを持つ(フィクションに限らず)ネット上の文章、評論、記事、Tweetとかも本当にすくない。

 

 みなさん、Cを、Cをどうかお願いします。*2

*1:あとDもあると思うけど今回は割愛します。

*2:普段AやBだけど、Cもかけるな、むしろしたいのはCだけどウケるのはAやBなのでAやBをやっているって人、ぜったいいるでしょ。僕も積極的にdigっていくので、頼みます。🙏🤧