航空神社

 

 

 亀戸に来ていた。「超人」という立ち飲み屋さんにいたのだけど、店内のテレビで「ジョナサンのメニューを一流レストランの料理人が食べて評価する」という内容の番組をやっていて、気づいたら店内のお客さんみんなが固唾で見守っていてすごい吸引力だなと思った。

 

 テイクアウト向けメニューとして開発されたフライドチキンに、一流料理人が「とても美味しいです。コロナ禍じゃないと生まれなかったメニューだと思う。僕たちもいろいろなものを失いましたが、これからもともに頑張っていきましょう」と、おなじ料理人として、という色の強いコメントをしたときは、僕も立ち飲み屋で泣いてしまった。

 「大手ファミレスの中の料理人」と「ハイエンドのレストランの料理人」のあいだに連帯や共感が生まれるの、美しい構図だと思った。

 

 そのあと、急に店員がチャンネルを変えて、裏のよくわからない番組になったのだが、立ち飲み屋のフロア全員がテレビからそっぽを向いてしまって*1いて面白かった。結局最後はどうなったのだろう……。

 

 そのあとは航空神社に行った。羽田空港にあるスポットなのだけど、響きがいいですね「航空神社」。

 お賽銭箱と立札と社があるだけの小さなスペースなのだけど、羽田の喧騒から離れて聖なる心境になることができる。

 

 ひな壇にはお菓子(グミとかあめ玉とか)がお供えされていたのが良かった。お客さんが置いている、……ということはなさそうだけど。

 

 この日は航空神社のほかにも、羽田のぜんぜん人がいないマイナースポットを見つけることができて良かった。*2こはちょっとゴシックでおしゃれな内装で雰囲気もいい。近くには休業したままのカフェがあって、解放されていた座席に2,3人、羽田に詳しそうな感じのサラリーマンが昼寝したりパソコン作業をしたりしていた。

 

 そのあとは、ウォータープルーフという名のウィスキーを飲んだ。とてもジャケ買いである。見た目がすごくかわいいですよねこのお酒。

 

 ただ味はあんまりかわいくない。けっこうアルコールの感じが強く、……僕の知っているなかでいうと、ブッシュミルズとか富士山麓とかがこんな感じだった気がする。加水すると風味を感じれるような気がするけど、僕のわかりやすいウィスキーのすきポイント「甘み」「スモーキーさ」がどちらもないので、良さがわかるまでにはひと瓶ぶんくらいかかりそうな雰囲気だ。

 

 生きていきます。