「金色のガッシュ!!」の術名の規則性のことをずっと考えていた

 

 小学校高学年くらいのころ、「金色のガッシュ!!」をとても読んでいて、その時期は「ガッシュ!!」に出てくる術の命名規則のことをずっと考えていた。

 けっこう厳格なシンタックスがあって、しかし例外だったり個別のケースにしか使われないような形態素があったり。……カオスと秩序の配分がいい感じで、掘れたんですよね。

 

 たとえば「ラ」がつくと何かしら相手の攻撃を反射する呪文(e.g. ラシルド、ギガ・ラ・セウシル)になり、ガが末尾につくと何かしらエネルギーが直線的に進んでいく攻撃呪文になる(e.g. ザケルガ、アクルガ)。もっと込み入ったものだと、「リオル」がつくと両手から二重に出てくる技になるし、「コ」がつくと何かしらミニチュアが関連する技になる。

 

 たとえばキッドの「コブルク」という呪文はちっさなキッドの分身を出して相手を攻撃する技であるが、「コ」(小さな)+「ブル」(分身する術であることを表す)+「ルク」(自身の状態や形態を変化させる術であることを表す)というふうに、なんとなく文字を見ただけで効果が想像できるようになっているのですよね。

 

 ほかにも、「ゴウ」とか「マ」とか「テオ」とかは単純にパワーアップバージョンですよ~ということを表す形態素っぽいのだけど、それぞれどの系統の術と共起するかが個別に決まっている。「ゴウ」はなんにでもつかなくて、たとえば「コファル」や「バウレン」などにだけつく。テオがつくのは「ラドム」や「ザケル」であり「レイス」や「ナグル」にはつかない。

 こういうところ、「言語」っぽいままならなさがあって、とても好きなんですよね。初見の単語に「ate」「ize」「fy」どれをつけたら動詞になるんだろう……、みたいなのと似ている。

 

 劇場版・ゲームなどの外伝作品ではこのポイントをしっかり押さえて術の名前を作っているのと、そうでないのがあり、あまり発達していなかった少年時代は後者の作品にはかなりイライラしていた。

 

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 「ガッシュ!!」の世界には文法的に区別されるおおまかにふたつのカテゴリーの基本攻撃術がある。タイプAは「ザケル」「ネシル」などのように「~ル」で終わる術で、Bは「レイス」とか「ス」で終わることが多いけどそんなに目立つ決まり字はない。

 Bのタイプの術には「ギガノ」という形態素をつけて強化版の呪文を作ることができる(e.g. ギガノ・レイス、ギガノ・ゾニス)のに対し、Aのタイプには「ギガノ」がつかない、という違いがある。(ギガノ・ゼガルとかいった例外もある)

 また、Aタイプには「ガ」をつけた威力集中バージョンの呪文があることが多いが、Bタイプには基本的にない。(これにもリュウス→リュウガみたいな例外もある)

 

 で! もうそのキャラオリジナルの必殺技、みたいな呪文にはかなりユニークで、それ以上分析できない長めの文字列が当てられるのである。ミコルオ・マ・ゼガルガの「ミコルオ」の部分とか、バベルガ・グラビドンの「バベルガ」の部分がそれですね。

 ストーリーの山場でこれが出てくると、術名が唱えられた段階で、「いままでの規則では知らない、レベチの大技だ……!」と直感的にわかるようになっている。「ガッシュ!!」のよくできているところ、こういうところにもあるんですよね。

 

 ほかにも「ガンズ」だと連打・連射、「ジオ」だと身体の生理的機能の変化、「ロン」は鞭状、「ラージア」は……、なんかぱっと日本語で出てこないんですけど、これは「ラージア」だ、としか言い表せない、何でしょうね…「上からたたきつける四角い範囲攻撃」?みたいな。……とにかくガッシュを読めばそれとわかるような攻撃形状上の概念があてはまります。

 

 そんなに調べずに記憶メインで書いているため、間違いや勘違いも多いかも。気になるところがあったらコメントや直接攻撃などで教えてください。