どうもボルコンが強い

 

 いつもどおり家でお酒を飲んでもうろうとしていたら、弟から電話が来た。「いまからデュエマやらん?」

 

 デュエル・マスターズソーシャルゲームができたらしい。そういえば幼少期は弟と永遠にデュエルしていた。僕と弟はカードを融通しあっていて、伝統的にドラゴンや悪魔は弟、精霊や水文明のドローカードは僕が優先的に使っていた。「ドルバロム、バジュラ、「ふたつ牙」、ヘブンズ・ゲート、サイバー・ブレイン……、」そのころの思い出がもうろうとした頭に蘇ってきて、弟に言われるままアプリをインストールした。

 

 しかしこのゲーム、なかなかカード間の強さに差があって、デフォルトのデッキではまあ勝てない。弟にしたたか連敗しながら、敗北をつまみにお酒を飲んだ。しばらく経って、同期ともデュエプレをやったがそのときもまったく勝てなかった。

 

 まあべつに、勝つためにデュエルをしているのではなく、「懐かしいね」って話のタネになればそれで十分良かった。

 

 ですが、一回も勝てなかったことがだんだん、この世界のありかたとして正しくないような気も徐々にしてきて、とりあえず集中的にゲームを進めた。ある程度カードを手に入れて、とりあえず手持ちの駒のなかでなんとか戦えそうな僕なりのデッキを作ることに成功した。

 

f:id:kageboushi99m2:20200102202429p:plain

 これがその布陣である*1。手札とマナゾーンのリソースを確保して、相手クリーチャーを手札に戻したり、小型クリーチャーを並べたり、進化クリーチャーを重ね出ししたり…、などといった行動をその潤沢なリソースを使って行い、その一瞬のテンポアドバンテージを得た瞬間に攻撃しきって勝つように設計されている。

 

 レアなカードはほぼなく、2時間くらいプレイしたら揃えることができた。これで、無邪気な発想で作られたカードデッキ相手であればだいたい勝つことができる。とくに攻め合いになる相手(中速のビートダウン)との相性はよく、相手の攻撃をしのいだあとに、相手の計算を外して、手数で逆転して勝てることが多い。

 

 問題なのは、デュエルマスターズを勉強しているひとたちが使ってくるデッキで、とくにボルメテウス・コントロール、通称ボルコンとよばれている型にはまったく勝てない。

 

光臨の精霊ピカリエカード画像

 とくにこの、「光輪の精霊 ピカリエ」に本当に困っている。僕のデッキにはパワー4000を超えるアタッカーがすくなく、バウンス(相手のクリーチャーを手札に戻すこと)で一時的に除去しようにも、このカードは「場に出たとき」効果を持っているので、時間稼ぎのあとはさらにこちらが不利になってしまう。

 

 これを4ターン目に置かれるだけで、こちらは持久戦覚悟となるが、そもそもコントロールデッキと持久戦する時点でこちらはとても分が悪い。しかも、このカードは手札損なしで召喚できるので、とくに優先順位の高いほかの行動がなければ、このカードをプレイしておいて損はない*2。本当に安定しているので、多くのデッキに4枚入っている。相手の一番安牌でとりやすい選択肢がこちらの急所に刺さるバトルなんてやってられないよ。

 

 ……弱音を吐いていてもしょうがない。頭のなかにいくつか案はある。水文明と自然文明でできることには限界があるので、火文明のカードを10枚くらい付加した3色ビートダウンにすればなんとかなるのではないか。(持ってないけど)「火炎流星弾」「ボルカニック・アロー」といった軽い除去呪文はこのデッキの根本設計に合うだろうし、フィニッシャーとしてツインキャノン・ワイバーン(持ってない)を採用できる。

 火を加えない場合は、コントロールデッキの除去能力を超えたリソースをたたき出すしかない。「ミラージュ・マーメイド」(持ってない)や「トリプル・ブレイン」(持ってない)、「大勇者『ふたつ牙』」(持ってない)をプレイしまくれば勝算はあるかもしれない。

 

 弟や友人に完敗するたびにカードを入れ替えて、勝ったと思ったら、すぐまた彼らが入れ替えたカードにやられて、それを繰り返して毎日が過ぎていったころのことを、いま思い出している。

*1:デッキ名「ドラゴン」とあるのは大嘘で、デッキ名は対戦相手には表示されない仕様のようなので嘘つく意味はひとつもないということがのちにわかったが、だからといって変えるのも嘘つきみたいでいやなのでそのままにしている。

*2:出したあとは進化元としても使える