ドレッシングのふだん使いはなに?

 

 ちょっとまえに友人とピクニックをしていて、コンビニに軽食を買い足しに行ったとき、ドレッシング別売タイプのサラダを友人が手にとったのを見て、なんとなく「そういえば、ドレッシングってお前なに好きなの?」と聞いたのだけど、そのなんとなくがきっかけになって今日まで深く考え込むことになるとはそのとき思いもしなかった。

 

 その友人は「え?笑 とくに…笑 てかドレッシングってふつうにあるものかけるだけでなにが好きとかなくない?」と答えたので、僕はけっこうびっくりした。ドレッシングといえば、僕にも多少、ブランドとか産地まではべつになんでもいいけれど、でも味はこれかこれだろ、くらいのこだわりはあるし、とくべつな理由がない限りかけないドレッシングのリストも持っている。

 車とかタバコとかミスタードーナツに自発的に行ったときに注文するドーナツと同じくらい、ドレッシングも、それぞれの人に「自分的にはふつうはこれだな」というくらいのしみついたものが当然あるという性質を持つ品物だと思っていたのだ。

 

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 とはいえ、よく考えてみたら僕も正直発達の早い段階からドレッシングの好みを持っていたわけではなかった。家に親が常備している単一のものだけを食し、「味がついていればなんでもいい」という発想だった期間はそんなに短いものではない。

 

 ドレッシングについてなにがしかの意見を持つようになったのは、実家を離れ寮暮らしをすることになった高校生のころだったと思う。そのころは同学年の男子6人でよく、夜中まで誰かの部屋*1で集まって遊んでいたものだった。そのときの話題のほとんどが「食堂のあのご飯をこれ以上食べるのは我慢ができない」というものだった。

 

 大人になって考えてみると、寮の食堂の食事は決して悪くはなく、ただ画一的でサプライズに乏しかったというだけのことだったのだけど、その当時の我々にとってはそれが大きな問題だったのでしょう。6人のうちだれかがサプライズを自前で起こそうとして「サラダは毎日でるしさぁ…、せめてドレッシングを持ちこまない?」と言ったのが始まりだったと思う。それはじっさいめちゃくちゃいいアイディアで、その週末に山を下りたふもとのスーパーまで連れだって買いに行ったのだ。ドレッシングを。

 

 それからはみんなで毎日それぞれの自前のドレッシングを共用の冷蔵庫から取りだして食堂に向かう日々だった。貸し借りしあって使えばたくさんの味をみんなで楽しめたかもしれなかったけれど、そういう考えは当時はなく、みんな自分が選んだ味に誇りをもって毎日持参し、サラダにかけた。

 

 そのときに僕が持参していたものが、いまでもふだん使いしているドレッシングである……、といえばきれいに終わるのだけど、実はそうではなく、いまはいろいろ試した中で、「かけたサラダがいいおつまみになる度」が個人的に最高だと思っている味*2のドレッシングを常用している。

 みなさんも今度会ったときにでも聞かせてください。ふだん使いしているドレッシングと、それに決めた理由を。

 

 あー! はやく生野菜とドレッシングを買ってホームサラダパーティがしてみたい!

*1:だいたい僕の部屋だったが。

*2:勘違いしている人や居酒屋も多いが、シーザードレッシングではない。