あるかないかの自意識の

 

あるかないかの自意識の
区分に気を取られて
階段を数え間違え
ビル陰からひなたに出るよ

横断歩道を
手を振って越えてくる
次世代の思想の担い手は
著者近影と似た
笑顔を浮かべている

ため息つくのはやめてよ
座席はあなたが
利用するためにあるんだよ

甘やかして
お菓子をもらって
青緑から赤や黄色に変わる
漠然とした景色
その片一方と
釣り合っている読書界
間違ったことくらい
言ってしまいそうになるよ

頭のいい愚痴はやめてよ
ピザはこれから
食べるためにあるんだよ