S/Z

 

 サブスクサービスでてきとうにかけていたら「ザ・ドードーズ」というひとたちの音楽が流れてきて、それがとても良かった。もっと聞いてみたいと思って調べてみると、The DodosというバンドとThe Dodozというバンドが別箇にあることがわかり、どっちかお目当てかわからなかったので両方聞いてみた。そしたら両方よかった。

 

 両方よいとはね! ひょっとしたらこれと同型の幸せには死ぬまでにはもういちどもめぐりあえない可能性がある。

 

 まずは「z」のほうから。アルバムに収録されているおなじ曲とはかなり様相が違うアコースティックセッション。「ギターケースを踏む」「鍵を両手でもてあそぶ」をパーカッションにしているの悪い意味でおしゃれすぎるほど良い意味でおしゃれですね。

 フランスのトゥールーズ出身のバンドで2014年に解散している。

 

 こちらは「s」のほう。パーカッション担当のひととギター&ボーカルのひとのデュオで、とにかくギターとパーカッションとその絡み合いがすごい。激しいんだけど乱暴な感じはせずむしろ上品。エフェクトのかかったボーカルとあわせて、嵐の中心にある止まった時のなかから嵐を聞いているような感覚になる。

 

 もういちど「z」のThe Dodoz。PVがとてもとてもおしゃれでまいっちゃうね。中盤でアメリカをおちょくっているの本当にそういうところだと思う。ギターソロのところだったり、ひとつひとつの素材をとるとなんとなくダサく見えてしまいそうなものを最終的にまとめてかっこよくなっている。

 

 「s」のほうのThe Dodosはビジュアルや音色の面では若干地味だけど、曲が進むにつれていろいろな驚きで聴くほうを幸せにしてくれる。素晴らしいのはやっぱり通じ合っているギターとパーカッションだけど、その間に挟まる金管も憂愁を感じてうつくしい。

 2005年にサンフランシスコで結成してから継続的に活動をしているそう。

 

 

 世のなかには音楽家が無限にいて、その部分集合であるところの良い音楽家も無限にいるみたいなのですが、なかなか、ここまで似通った名前をしていてそのどちらも良い音楽家であるようなケースはきっとすくないのではないか。

 もしおなじような例を知っているよ! というかたがいれば、ぜひ教えてほしいです。僕に直接会ったときか、会う機会がないのであればべつのそれなりの手段で。リークをお待ちしております。さようなら。