じつは嫌いじゃないもの:抑うつ状態

 

 メインで行っていたクリエイティブめのインターンが休止期間に入ってしまった。ほかにもちょくちょく行っていた日雇い派遣のバイトがあるのだけど、ある朝現場に行こうとしたら結構な雨が降っていて、しかも玄関に傘がなくて、わりと珍しい現場だったので行く気は満々だったのだけどいろいろコスパを考えると割に合わないなと思って当日欠勤してしまった。それ以降、心証が下がったのか、案内の連絡がこない。

 

 というわけで、現状僕にはやらなければいけないことがほとんどなにもない。せっかくやることがなにもないのに平常な精神状態でいるのはコスパが悪いので、いまはなるべくテンションを下げ、軽い抑うつ状態になるように自分を調整している。

 

 まずはお酒である。なるべくお酒を飲む。そしてなるべく翌日に残るようにする。朝起きられないという失敗体験と(べつに起きなければいけない理由はなにもないが)、シンプルな体調不良はメンタルをダウンな方向にもっていくおおきな作用がある。

 

 昼くらいにのっそりと起きだして、カップ麺を食べたあと、すぐに捨てたくなるところだが我慢してそのまま放置していったん二度寝するとなおよいだろう。カップ麺に限らず、なるべくごみは捨てずにそのへんに放置しておいたほうがいい。正常な生活をしているときにごみを捨てずにいると、気持ち悪かったり焦燥感が出たりするが、それははじめだけで、続けていくうちにすぐ慣れる。

 

 目が覚めたらまた眠る。二度寝三度寝を繰り返していくうちにどんどん眠りの質は落ち、目覚めの体がだるさを増してくるはずなので、こうなったらもう勝ったようなものだ。いつのまにか頑張っても体に力が入らず、動きたくてもベッドから動けないようになってしまう。どうしても目がさえてしまうときは手元のスマホツイッターを見るのが良い。

 

 うつ状態から回復するようなイベントをできるだけ避けるのも大事で、たとえばおいしいお肉を食べるなどといったことはたぶんしてはいけない。むしろ味の濃いスナック菓子や菓子パンを食べてカロリーを補給すべきである。人とは会わないほうがいい。むしろ大事な連絡を放置して罪悪感とどうにでもなってしまえ感を内側にため込むべきだ。最初は苦しいけれどのちのち自己憐憫が芽生えてきて気持ちよくなってくる。筋トレもやめておこう。筋トレの逆というのがちょっとよくわからないので今回は見送ったが、筋トレの逆の行為を思いついたらそれも積極的に生活に取り入れていくとよいと思う。

 

 ……というふうなことを暇になったらけっこうやっていて、しっかり抑うつ状態になることができてそれを楽しんでいるのだけど、自分からはじめた抑うつ状態は1週間くらいで飽きて安全に正常状態に復帰できるという個人的な感覚と信頼があるから気軽にやっているのかもしれない。今回は大丈夫だろうか。戻れなかったらどうしよう。