夢の短歌

 

 内容が込み入っていて詳しく書くのは難しかったので断念したが、今朝もかなり切ない夢を見た。三人称視点の物語で、自分に降りかかる運命に対して真摯な主人公が、親友に裏切られて置き去りにされる最期が本当に切なかった。

 

 (夜に見る)夢を見るのが本当に好きで、趣味と言っても過言ではないかもしれない。一日のコンディションがその日に見た夢で左右されたりする。今まで見た傑作の夢は(一部の例外をのぞいて書き残してはいないけれど)ずっと頭のなかで覚えている。

 

 夢が好きなので、自然と夢を扱った短歌も増えた。

 

 

夢のなか自分の日記に囲まれて目覚めることのできない眠り

 これが最新の気持ち。

 

水筒を抱えて眠る兄弟はそれぞれの夢の砂漠でひとり

 小学校時代、遠足の前の日に弟と一緒に遠足の道具を抱えながら眠った日のことを思い出しながら詠んだ。

 

僕が気を許さなかった友達が夢に出てきてその次の日も

 人に気を許さないことってあまりないのだけど、珍しく、そういう、気を許すまい!と決めた相手ほど夢によく出てきたりするんですよね。

 

くしゃくしゃにされたティッシュは夜君が夢に見ている鳥なんですよ

 使い終わったティッシュが転がっているってきれいだなあと思って…。

 

保育器の奥の世界でひとりきり夢とつながる僕のおとうと

 僕の一番下の弟は生後けっこうな期間保育器に入っていて、親もその間入院してて、僕と二番目の弟も病院で暮らしていて、よく保育器を見て、一緒に、あの中にいる弟はどんなかんじなんだろうと考えていた。

 

夜は冷え シャツの前後を間違える いい夢と悪い夢ふたつ見る

 ひとり暮らしの夜。

 

大泣きをする夢を見てめざめたら泣いていなくて 返してくれよ

 これは珍しく実体験で、泣いた夢を見て起きたら泣いていなくてそれは割に合わないなって思った。

 

生まれた日夢をみていてその夢が続いて今日は誕生日会

 誕生日を祝う歌会で即興で詠むのを求められてそれで頑張って出た歌。でもそれなりに気に入ってるんですよね。生まれた日の夢がそのままにぎやかな誕生日会につながっているというイメージ。

 

今朝の夢をめぐって君と議論する 僕らは夢を共有してて

 見る夢を共有している二人を描いたお話を構想している途中で、その手付けみたいな短歌です。