イタリアのポップミュージックが良い。Max Gazzéとかとくに

 

 一時期イタリアのポップミュージックをめちゃくちゃ聞いていた。僕は洋楽好き、海外の音楽が好きではあるんだけど、どんなに頑張ってもその海外というのはアメリカ、イギリス、それに加えてジャンルはちょっと変わるけど韓国、……あとはせいぜいカナダやオーストラリア、メタルなら北欧、テクノなら中欧、くらいで閉じてしまうことが多い。

 

 しかし、せっかく世のなかにはたくさん国があるので、できれば、それぞれの国ではやっているお国柄のポップミュージックを聞いてみたい、という気持ちがあった。そんなモチベーションで聞いていて、いまのところいちばんはまったのがイタリアのポップミュージックなのである。

 

 音楽に国境はないというけれど、でもなんとなくそれぞれの国のカラーというものがある気がしていて、イタリアのカラーがとても好き。なんというか、メロディーが甘くて、ロマンチックで、だけどシリアスに感傷的になるという感じではなく、そのうらに確かな楽観的な感覚を持っている、というような感じ。

 

 Max Gazzéがそのなかでもお気に入り。どういう立ち位置のアーティストなのかは言語の壁もあってはっきり言ってよくわからないのだが、結構いろいろなジャンルの音楽を経験してきた人で、ローマ生まれのイタリア人だけどブリュッセル育ち、動画の再生回数を見るにイタリアでは結構な人気者だと思われるが、たぶん世界的な知名度があるわけではない、というくらいの情報は得られた。

 

 見た感じとかPVでの出かたとかは、日本人が想像するようなTheイタリア人!って感じの伊達男で、そのあたりもかなり良い。

 

 音はけっこうピコピコしている。歌詞はなにを言っているのかまったく分からないが、でも聞いているとなんとなくポジティブな気分になれる。この曲に関してはPVも終わっていて、なぜか瞼に目を描いたMax Gazzéが歌うそばで、マネキンに恋をするスキンヘッドの男のストーリーが展開されるのだが、このスキンヘッドの男が本当に面白い。恋の彼岸にいて、完全に目がイってしまっている。

 

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 こんな目、俺はしたことないぜ……。

 

 こちらの曲はスケールの大きなスペース・ロック。ヴォーカルはゆったりとしているけど、後ろの楽器はタイトに刻んでいて、そのコンビネーションがもたらす高揚感は酔える。

 

 イロモノ曲ばっかり作っているわけではなく、こういう聞かせるタイプの曲も良い。Max Gazzé、だいすきです。